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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2012 第3回

知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】

2012年05月30日 12時00分更新

文● 山県

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ミドル~ハイエンドまで揃った
AMD「Radeon HD 7000」シリーズ

 それでは具体的に最新GPUの詳細を確認していこう。まずはAMD「Radeon HD 7000」シリーズから。
 現在店頭で購入可能な「Radeon HD 7000」シリーズは計6つ。ミドルレンジモデルとなる「Radeon HD 7770/7750」、アッパーミドルとなる「Radeon HD 7870/7850」、ハイエンドモデルとなる「Radeon HD 7970/7950」と、各セグメントごとに2GPUずつが展開されている。

AMD「Radeon HD 7000」シリーズ。旧モデルGPUの「Radeon HD 6xxx」シリーズとの大きな違いは、製造プロセスルールが40nmから28nmへの大幅に微細化されたことと、「Graphic Core Next」と呼ばれる新アーキテクチャーを採用した点だ

2012年1月9日の14時1分より一斉に販売が始まった「Radeon HD 7970」搭載ビデオカード。各ショップの店頭には一斉に並んだが、待ち構えていたハイエンドユーザー達が次々に購入。秋葉原地区の初日はほぼ完売といってもいい状況だった

 どれも価格、性能ともにバランスがとれており、用途に合わせてGPU選びが可能となる。オーバークロック仕様やオリジナルクーラー採用モデルなどバリエーションも豊富で、自分好みのビデオカードが見つかることだろう。

「Radeon HD 7970」搭載ビデオカードとしては初のオリジナルクーラー採用モデルとなったGIGABYTE「GV-R797OC-3GD」

デュアルファンのオリジナルクーラーを採用するXFX製「Radeon HD 7970」搭載ビデオカード「FX-797A-TDFC」

各ビデオカードの比較表
  Radeon HD 7970 Radeon HD 7950 Radeon HD 7870 Radeon HD 7850 Radeon HD 7770 Radeon HD 7750
開発コードネーム Tahiti Tahiti Pitcairn Pitcairn CapeVerde CapeVerde
製造プロセス 28nm 28nm 28nm 28nm 28nm 28nm
シェーダーバージョン 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
DirectX対応 11.1 11.1 11.1 11.1 11.1 11.1
ストリーミング
プロセッサー数
2048基 1792基 1280基 1024基 640基 512基
ROPユニット数 32基 32基 32基 32基 16基 16基
コアクロック 925MHz 800MHz 1000MHz 860MHz 1000MHz 800MHz
メモリー転送レート(相当) 5500MHz 5000MHz 4800MHz 4800MHz 4500MHz 4500MHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 384bit 384bit 256bit 256bit 128bit 128bit
メモリーサイズ 3GB 3GB 2GB 2GB 1GB 1GB
最大消費電力 260W 200W 175W 130W 80W 55W
補助電源コネクター形状 6ピン+8ピン 6ピン+6ピン 6ピン+6ピン 6ピン 6ピン なし
秋葉原での発売日 2012年1月9日 2012年1月31日 2012年3月19日 2012年3月19日 2012年2月15日 2012年2月15日

完成度が高すぎる!?
「GeForce GTX 680」が人気のNVIDIA

 次にNVIDIA「GeForce GTX 600」シリーズを見ていこう。2011年のほとんどを、ほぼ沈黙していた「GeForce」だが、ここにきて非常に強力な製品が登場してきた。“Fermi”アーキテクチャーに改良と最適化を行なった新アーキテクチャー“Kepler”を採用する「GeForce GTX 680」で、その完成度は高い。パフォーマンスや価格、さらには苦手としてきた消費電力を抑えることにも成功しており、現時点で申し分のない出来となっている。

発売後も非常に人気の「GeForce GTX 680」搭載ビデオカード。ゲーマー向けのカードとしては早くも2012年の定番モデルといえる存在だ

人気となるのはオリジナルクーラー+オーバークロック仕様となるモデル。写真はMSI製の「GeForce GTX 680」を搭載した人気モデル「N680GTX Twin Frozr III OC」

ドスパラ パーツ館では「GeForce GTX 680」解禁に合わせて異例の深夜販売を敢行。予想を上回る人出に、用意したモデルは早々と完売となった

 ただ、唯一のツッコミどころは“Kepler”ベースのミドルレンジモデルがないというところ。一般的なユーザーにとっては、ビデオカードの予算に5万円、6万円と払えるものではなく、早々に2万円前後のミドルレンジ帯を担う製品の登場に期待したい。

続けて発表されたデュアルGPU仕様のフラッグシップモデル「GeForce GTX 690」搭載ビデオカード。10万円前後という販売価格にも関わらず、アキバではコンスタントに売れている

 ちなみに、エントリー向けGPU「GeForce GT 630」「GeForce GT 620」「GeForce GT 610」を搭載するビデオカードが発売となっているが、こちらは従来モデルのリネーム版となるもの。あくまで前述の“Kepler”をベースとする製品とは異なるので、注意してほしい。モデルナンバー上は「GeForce GTX 600」シリーズとなるものの、新GPUにはカウントできないのであえて記載もしていない。

GeForce GT 630/620/610は、それぞれGeForce GT 440/430/520の名称を変更しただけなので、新設計のGPUではない

各ビデオカードの比較表
  GeForce GTX 690 GeForce GTX 680 GeForce GTX 670
開発コードネーム GK104 GK104-400 GK104-325
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
CUDA
プロセッサー数
1536基×2 1536基 1344基
コアクロック 915MHz 1006MHz 915MHz
ブーストクロック 1019MHz 1058MHz 980MHz
メモリー転送レート(相当) 6008MHz 6008MHz 6008MHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 256bit×2 256bit 256bit
メモリーサイズ 2GB×2 2GB 1GB
最大消費電力 300W 195W 170W
補助電源コネクター形状 8ピン+8ピン 6ピン+6ピン 6ピン+6ピン
秋葉原での発売日 2012年5月8日 2012年3月22日 2012年5月10日

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