久々に自作PCに挑戦しようという人のための応援企画として毎年恒例の「アキバで恥をかかないための最新パーツ事情」を今年もお届けする。2011年から2012年にかけて、例年になく新型CPUやGPUが登場し充実した1年となった。何年かぶりにパーツショップを訪れた人は、おそらく初めて目にする製品の多さに戸惑うかもしれない。IntelかAMDか、はたまたGeForceにするかRadeonにするか。そろそろSSDの導入は?
第3回となる今回は「ビデオカード編」をお送りする。話題の中心となるのはAMDの「Radeon HD 7000」シリーズとNVIDIAの「GeForce GTX 600」シリーズ。どちらも2012年に入り積極的に新モデルを投入しており、ゲーム用PCを組む際にはなかなか悩ましい状況となっている。現在販売中のモデルをしっかりと把握し、好みと予算に応じたベストなビデオカードを選択していこう。
最新GPUは「PCI Express 3.0」世代へ
2011年~2012年にかけてのビデオカード事情をおさらいしていきたいと思ったのだが、少し振り返ってみると、AMD、NVIDIAどちらも新GPUの発売は2012年に入ってから。今思えば、たしかに2011年はビデオカード関連のニュースに乏しい1年だった。その分、ここ最近は新GPUの発売ラッシュが続き、ユーザーにとっては好ましい状況となっている。
さて、そんな最新GPUを搭載するビデオカードだが、AMDの「Radeon HD 7000」シリーズやNVIDIAの「GeForce GTX 600」(Keplerベースの製品に限る)では、実効転送速度が前世代の2倍になった、次世代のPCI Express規格「PCI Express 3.0」に対応した。インテルの最新CPU「Ivy Bridge」でサポートされており、同CPUを搭載したマザーボードであれば基本的に利用可能となる。
とはいえPCI Express 2.0世代のビデオカードとは外見上なんの変更もなく、またパフォーマンス面においても体感できるような差は今のところない。ユーザーにとっては恩恵がない分、それほど気にする必要のない部分ではあるがPCI Express 3.0対応と明記された製品でも問題なく利用できると思っておけばOKだ。
PCIスロットはなんのため?
ついでと言っては何だが、「PCI Express 2.0/3.0」以外のインターフェースについても軽く触れておこう。さすがにここ最近は少なくなったPCI対応ビデオカード。まったく発売されていないのかと言われると、実はそうではなかったりするので少々ややこしいのだが、それでも今や極めて特殊な存在となるのは間違いない。
マザーボード側にも、いまだにしっかりと用意されている場合も少なくないために「まだ現役なのか?」と思ってしまうが、少なくともビデオカードのインターフェースとしては現役ではない。あくまでオマケ、または既存のカードを最新マザーボードで使うためのスロットと思ったほうがいいだろう。
新機能「Lucid Virtu MVP」とは
新型CPUのIvy Bridgeと新型チップセットZ77がサポートする機能として「Lucid Virtu MVP」がある。これはCPU内蔵GPUとマザーボードに搭載したビデオカードカードを動的に切り替える「Lucid Virtu」の拡張版となるもの。
これらを協調動作させることで3D描画性能を向上させる「HyperFormance」モードと、ティアリングを発生することなくディスプレーのV-Sync以上のフレームレートを実現する「Virtual Vsync」モードの2つの機能が用意されている。ビデオカードの話題とは直接関係するものではないが、新たにZ77マザーボードでPCを組んだ際には、導入を検討してみるとよいだろう。
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