値下がり過ぎて価格破壊が起こったDDR3メモリー
ここまで、Intel/AMD各社のCPUやチップセットを確認してきた。特にIntel環境においてはSandy Bridge-EとIvy Bridge世代がともにDDR3-1600対応メモリーまでをサポート。加えてLGA 2011環境のSandy Bridge-Eでは最大で8本のメモリーを搭載することが可能となった。
いまや主流は完全にDDR3-1600(PC3-12800)対応のメモリーと言って差し支えない。それ以下のDDR3-1333対応メモリーやDDR2、DDRに関しては旧世代向けの製品となり、新規PC用というよりは既存環境のアップグレードや保守用といった意味合いが大きい。
そのDDR3メモリーは大容量、低価格化が順調どころか進み過ぎといった印象で、2011年の8月にはPC3-10600対応4GBメモリー(2枚セット)は2000円台に突入。完全な価格破壊現象を起こし、現在でもDDR3-1600(PC3-12800) 8GB(2枚組)の最安値が8000円を割った販売価格となっている(サハロフ佐藤のアキバ定点観測:5月19日調査分)。
Windows 7の登場によって64bit OSの普及も急速に進み、大容量メモリーを使用するハードルは大きく下がった。今やLGA 2011環境のSandy Bridge-Eで8GBメモリーの8枚差しは珍しいことではないという時代だ。
そんな一方的な価格下落は、国内唯一のDRAMメーカーであったエルピーダメモリを事実上の倒産に追い込んだ。製造業では過去最大の倒産となったのは記憶に新しいところだ。メモリー価格は現在も安値水準を彷徨っており、今後の業界再編も含めてしばらくは目が離せない状況となっている。
新規にPCを自作するにはまさに絶好のタイミング
自作PCに触れるのが久々かどうかは置いといて、やはり1台のPCを組もうと思ってまず考えるのがCPU、そしてマザーボードだろう。ここが決まればあとはおのずと他の構成も決まってくることになる。特にマザーボードはインターフェースカードの拡張性や、ケース選定なども絡む極めて重要な部分となるわけだ。
現在もIntel、AMDそれぞれのメーカーから数多くのCPUが発売されているが、実は新たに組もうと考えるのならあまり迷う余地はない。Intel環境ならIvy BridgeベースのLGA 1155を。AMD環境なら最上位モデルの「FX-8150」を使ったPCを組めば、まずそのパフォーマンスに不満はないはずだ。もちろん、さらに上を目指すというユーザーはSandy Bridge-Eを選択するといい。メモリーも予算が許す限り、好きなだけ搭載できる。
またメインPCではないセカンドマシンや、来たるロンドンオリンピックに向けたHTPCなどを検討している人にはコレ。絶対オススメなのがFusion APU「AMD A」シリーズだ。特に今年3月に発売された4コア採用でTDP65Wの新モデル「A8-3820」は、スペックと消費電力のバランスがとれたモデルとして非常に優秀。Mini-ITX対応マザーなどとの相性も抜群に良い。あとは本記事を参考に自分に合ったCPUを選択していただければと思う。
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