ガラス筐体を採用した、スタイリッシュノート
── HPはその中でも遅れてきた本命の一角というべき存在ですかねぇ。
石井 「ここにあるHP ENVY14-3000 SPECTREは、天板とパームレストにガラスを使用するなど、デザインにも工夫しているし、縦横のサイズは抑えつつ、大き目のディスプレーを採用するなど、スペックも独創的です。HPの説明では解像度1600×900ドットの14インチディスプレーを搭載しながら、フットプリントは13インチノート並みに抑えているそうです」
── なるほど。まずSPECTREの話が出ました。SPECTREのデザイン自体はMacBook Airとはずいぶん異なるの方向性だと思いますが、Macユーザーの目にどう映るかは興味のあるところです。
吉田 「実はこの製品のデザインは大好きで、欲しいなと思ってたんですよね。これに相当するカテゴリーがMacBookにはないということもあるんですが……。単純な見た目という意味ではなく、根幹にあるデザインに対するアプローチという点でMacに通じるところがあるとも思えます。
国産のノートパソコンを批判するわけではないですが、Windowsのノートはトラックパッド(タッチパッド)の位置が中央より左に寄っていたりするでしょ? これは使い勝手を考慮したためかもしれないですが、デザインの観点から見ると、パームレストが非対称になって、収まりの悪さを感じます。しかしSPECTREは、ほぼ中央にタッチパッドが置かれているし、側面のインターフェースもHDMIとUSB 3.0を中心にシンプルにまとまっていて洗練された印象です。Windowsマシンには、ムダな端子がいっぱいあるイメージがあるんです。例えば、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)とか本当に必要なんですか……?」
後藤 「このあたりはSPECTREがビジネス用途ではなく、個人向けにコンセプトを絞ったからできたという面もあると思います。ビジネスノートはプロジェクターとの接続が必要とされるから、ないと文句が出る」
吉田 「だったら汎用ポートをひとつ用意して変換ケーブルで対応するというアプローチもあると思うんだけどなぁ」
── 国産に限らないですが、第1世代は非常にシンプルでとんがったデザインなのに、第2世代になると急にそれがスポイルされてしまうことってよくありますよね。おそらくユーザーの声を聞きすぎている。確かにスペックや機能は向上した。でも端子類が増えてデザイン面で妥協してしまったりとか。
後藤 「言い換えれば、モノとしての存在感よりも、道具としての機能が優先されるということでしょうか。そういう意味でSPECTREは道具ではなく、モノとしての魅力にこだわった機種。これは久しぶりに、かっこいいからほしいと思える路線です。ぜひこのデザインを続けてほしい」