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デジタル時代にDJはどう変わる?

2009年11月22日 12時00分更新

文● 四本淑三

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「アナログレコード最高!」の高い壁

――「iPJ」と「nextbeat」を比較してみて、どうですか?

清水 難しいのはインターフェイス設計ですね。これはnextbeatでもすごく悩んだんですが。たとえばボリュームフェーダーをさわりながらローを切って、ボリュームを落としてまた上げるとか、DJにはいろんな「技」があります。だから、同時に操作できなければいけないパラメーターがある。iPhoneだと、その辺の設計の制約はありますよね。

星野 なので、外部ミキサーは前提になっていますね。ソフトメーカーである我々の場合ハードウェアのところで超えられない部分が出てくるんですが。

清水 でもスクラッチをやっている方は、おそらくここには来ない。インターフェイスとして「バイナルが最高」という、そこは僕らもひれ伏すしかないところで。

アナログレコード(バイナル)を使い慣れたユーザーはやはり多い。そこが高い壁になっているという

バイナル : Vinyl。アナログレコードのこと

星野 そこ、すごく話したかったんですよ! DJって皆が考えているより保守的なんですよね。だから意見をフィードバックするのも大変だったんじゃないかなと。

清水 ハウス、テクノ、エレクトロ、ヒップホップ、レゲエとかジャズと、DJのジャンルごとに強いスタイルがある。だからDJ機器側でも、全部いいとこ取りの和集合を取ろうとすると難しいんですよね。

パソコン上でアナログレコードのDJと同じプレイ環境を再現する「Serato Scratch Live」。DJ SPINNA、Satoshi Tomiieなど愛用者は多い

星野 ヒップホップの人たちと話すと、それはそれでマニアックな話で盛り上がるんですよね。アナログの音じゃないとダメなんだとか。

清水 揺り動かない文化がありますよね。とにかくバイナルというインターフェイスが最高なんですよ。だからセラートが売れるし。

セラート : SERATO。PCDJソリューション「Serato Scratch Live」のメーカー。特殊なディスクをターンテーブルの上に載せ、その位置情報からPC側の音楽ファイルを再生する。通常のDJプレイと変わらない操作感が得られる

星野 インターフェイスとして何十年も、それこそ楽器のようにあるものなので、離れられないんですね。

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