ビデオ会議市場に、HD化と低廉化を促す製品が登場した。ライフサイズ・コミュニケーションズの「LifeSize Passport」は、1基40万円。HDビデオ会議システムとしては、従来の1/3だという。
ライフサイズ・コミュニケーションは、「サイズ、重さ、価格のすべてを従来の1/3にした」と謳うHDビデオ会議システムHDビデオ会議システム「LifeSize Passport」を発表した。価格はPTZ(パン・チルト・ズーム)カメラモデルが49万8000円、フォーカスカメラモデルが39万8000円。
LifeSize Passportは、従来は80万円以上したHDビデオ会議システムを購入できなかった層がターゲットだという。この価格帯を実現したことで、従来は予算の都合上2拠点間のみしかHD映像で会議ができなかった企業が、複数拠点間でのHDビデオ会議が可能になるというわけだ。さらにこの製品はSkypeとも接続できる。製品そのものをリーズナブルにしただけではなく、ビデオ会議システムを包括的に見た場合も、お得感が出ているのである。
製品を実際に見てみると「Passport」と呼ぶだけあって軽く小さい。幅20cm、奥行き12cm、高さ3cmという小ささで、重さは450g。家庭に設置しているルータとほぼ同じ感じと思っていただければよい。こうした手軽さによって、設置場所を選ばずにHDビデオ会議が可能になった。従来製品では2つに分かれていたエンコード・デコードのチップを1つにまとめるなど、新しい半導体を使うなどして今回のサイズを実現したという。
ビデオの品質は720p。1Mbpsの帯域が用意されていれば、HDによる通信が可能だ。提供開始時期は今年11月を予定している。
従来製品もバージョンアップ
LifeSize Passportの発表に合わせ、従来製品も新しくなった。
新製品は、
- 8拠点間接続が可能なフルHDビデオ会議システム「LifeSize Room 220」
- 最大4拠点接続可能なフルHD MCU「LifeSize Team 220」
- 100万円未満のフルHDビデオコミュニケーションシステム「LifeSize Express 220」
の3つ。
LifeSize 220シリーズの解像度は、Passportよりも高い1080pのほか、720p60にも対応している。さらに、デュアルディスプレイもサポート。価格はExpressが99万8000円で、Teamは200万円、Roomが220万円となっている。
現在のビデオ会議システムでは、HDの販売シェアがワールドワイドで15%。これをライフサイズ・コミュニケーションズは20%まで引き上げたいとしている。