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ディアイティ、「DayConnect PRO TV 会議システム」を7月1日出荷

目指すはジャンケンができるビデオ会議

2009年06月08日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 ディアイティは6月5日に都内で発表会を行ない、自社開発のH.264ソフトウェアコーデックを使ったビデオ会議システム「DayConnect PRO TV 会議システム」を7月より出荷すると発表した。

新製品の説明を行なうディアイティ高度ネットワーク開発事業部 常務取締役 事業部長の三橋薫氏

 DayConnect PROは、QVGA(160×120ドット)からフルHD(1920×1080ドット)までの解像度に対応したビデオ会議システム。専用のハードウェアコーデックを必要とせず、通常のPC上で動作するWindowsのアプリケーションとして開発されている。

 特徴の1つが、画像の品質と遅延の低さ。フレームレートが30fpsで、ソフトウェアでありながら遅延を100ミリ秒以下に抑えている。この点について同社常務取締役の三橋薫氏は、最近のCPUは処理性能が高まっており、ハードウェアコーデックを採用する他社製品に勝るとも劣らないとする。発表会場で行なわれたデモでは、4コアのXeonプロセッサを2基搭載するMac Proを利用していたが、製品出荷時にはCore i7搭載PCを利用する予定で、処理性能はこれで十分だという。ただし、遅延減少の取り組みは続けており、ゆくゆくはジャンケンができるくらいの遅延の低さを実現したいとのことだった。

最大6地点のメインビュー表示(大型表示)とサムネイル表示、さらにWindowsアプリケーション画面の共有が行なえる

 一方、必要な最大帯域は、SD(VGA)で約8Mbps、フルHDで約30Mbps。この帯域は他社製品より大きいが、三橋氏によれば、帯域よりも低遅延を求めたためであり、遅延が増えても構わないのであれば圧縮率を上げて帯域を減らすこと可能という。

タッチパネルで操作できる端末「DayConnect PRO Touch」によるデモンストレーション。ハードウェアには日本ヒューレット・パッカードの「TouchSmart PC IQ800」を利用していた

 多拠点を結ぶ会議を行なう場合、拠点間の中継を行なう「MCU(Multipoint Control Unit、多地点接続装置)」が必要になる製品も多い。しかし、DayConnect PROはMCUが不要でありながら、最大128拠点までの接続が行なえる。全拠点はメッシュ状に接続され、マルチキャストもしくはユニキャストで通信が行なわれる。サムネイル表示の端末には低解像度の動画を送信するなど帯域を節約する機能があり、実利用上は最大16拠点程度の接続が可能なようだ。

 製品は、ユーザーアカウントの管理を行なう管理サーバ「DayConnect PRO Server」とクライアント端末で構成。クライアント端末は、市販のWindowsマシンにDayConnect PRO TV 会議システムのソフトウェアをインストールした形で販売される。

クライアント端末用途形態解像度出荷予定日
DayConnect PRO HD大規模用デスクトップPC+外付けカメラフルHD9月
DayConnect PRO SD中規模用デスクトップPC+外付けカメラSD(VGA)9月
DayConnect PRO Touch中規模用25インチタッチパネルディスプレイ内蔵PC(カメラ内蔵)SD(VGA)7月1日
DayConnect PRO Portable持ち運び端末12インチのタブレットPC(カメラ内蔵)SD(VGA)9月

 販売は、同社直販もしくは販売パートナー経由で行なう。価格は、DayConnect PRO Serverが74万8000円、DayConnect PRO Touchが69万8000円など。

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