基本演算性能
まずはSandra 2009 SP4のProcessor Arithmeticを見てみよう。それぞれコア数が違うため比較はしにくいが、四則演算や理論演算を行なうDhrystone ALU、浮動小数点演算のWhetstone iSSE3ともにコア数×動作クロックにほぼ比例する数値となっている。従ってコアの種類によるクセなどはないと見てよさそうだ。同じデュアルコアのAthlon II X2 240eとCore 2 Duo E8400を比較すると、Athlon II X4 240eはちょっと物足りない数値だが、Athlon II X2 240eがバリューセグメントに位置するCPUであることを考慮すると健闘しているほうだと言える。
同じくSandra 2009 SP4のMemory Latency Testも見てみよう。こちらも演算ベンチマーク同様にコア数がテスト結果に影響するベンチだ。落ち込み方はL2キャッシュが512KBのAthlon II X4 605e、L2キャッシュが1MBのAthlon II X2 240e、L3キャッシュのあるPhenom IIシリーズの順になっている。Athlon II X2 240eの256KBの落ち方が激しいのを除けば、AMDファミリーはほぼ同じ傾向である。
Core 2 Duo E8400と比較すると、L1キャッシュレンジはIntel CPUのほうが高速、L2キャッシュレンジはAMD CPUのほうが高速と、得意とするレンジがそれぞれ違うのが面白いところだ。
3Dゲーム関連
3Dゲームのベンチマークテストは、ビデオカードが大きく影響するとは言え、CPUのパワーも重要だ。また、大容量キャッシュを持つCPUが有利と言われるベンチマークでもある。そのことを証明するかのように、今回のテストにおいてもL3キャッシュを持つPhenom II系CPUが、コア数や動作クロックを考慮しても良好な数値をマークしている。3Dゲームをなるべく快適にプレイできる低電力CPUが目的なら、Athlon IIよりもPhenom IIをチョイスするほうがよいだろう。
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第442回
デジタル
ローエンドビデオカードの選択肢のひとつとなるか!? Radeon RX 6500 XTに8GB版が追加 -
第442回
自作PC
内蔵GPUを削除したRyzen 7 8700FとRyzen 5 8400Fに存在価値はあるのか? -
第441回
自作PC
いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む -
第440回
自作PC
インテルCPUを安全に使える設定?「Intel Baseline Profile」のパフォーマンスを検証【暫定版】 -
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 - この連載の一覧へ