ノートPCのバッテリー駆動時間は増えるのか?
今度は、ノートPCでも検証を行なってみた。こちらは、ワットチェッカーで消費電力を計測するのではなく、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を利用して、同じ条件(バックライト輝度最低、10秒ごとのキー入力および1分ごとのWebサイト巡回を行なう)でのバッテリー駆動時間を計測してみた。ノートPCには、パソコン工房のハイスペックノートPC「Lesance BTO CLG628 TYPE-G」を利用した。計測は3回行ない、その平均を結果として使うことにした。
その結果、通常電圧版の2GB SO-DIMMを2枚装着した状態(出荷時状態)のバッテリー駆動時間は2時間37分だったのに対し、低電圧版SO-DIMM装着時のバッテリー駆動時間は2時間39分となった。割合にすると約1%しかなく、誤差の範囲ともいえるので、はっきりと駆動時間が延びたとは言い難い。そこで、バッテリーを外して、ACアダプターを繋ぎ、ワットチェッカーでアイドル時の消費電力を比べてみたが、通常電圧版も低電圧版も28~29Wで違いはなかった。Lesance BTO CLG628 TYPE-GのBIOS設定画面には、メモリ電圧に関する項目が用意されておらず、先ほどのデスクトップPCでの検証結果もあわせて考えると、GeILの低電圧版SO-DIMMを装着しても、メモリの動作電圧は1.5Vのままで変わっていない可能性が高いと思われる。
大きな差はないが、少しでも消費電力を下げたい人に
GeILのGreen SeriesのDDR3 DIMMは、通常のDDR3メモリよりも動作電圧を0.2V下げた、低消費電力仕様の製品だが、それによって削減できる消費電力はせいぜい数Wだ(予想通りの結果ではあるが)。ただし、今回はメモリ2枚差しだったが、4枚差しや6枚差しにすれば、それだけ消費電力の差は大きくなるはずなので、Core i7マザーボードで、6枚差しした場合は、システム全体の消費電力を10W程度削減できると思われる。長時間電源を入れっぱなしにするサーバーマシンでは、決して無視できない差だ。また、長時間負荷をかけても、メモリモジュールの発熱が小さいので(そのためヒートスプレッダは装着されていない)、冷却面でも有利だ。ノートPC用のSO-DIMMについては、BIOS側での対応に不安が残るが、これからデスクトップPCを自作しようという人で、少しでも消費電力を下げたいというのなら、Green Seriesを検討してみてはいかがだろうか。
なお、残念ながら日本国内では代理店が本製品を取り扱っていないため、店頭での入手は困難な状態だ。購入したい人は、GeILのカスタマーサービスcustomerservice@geil.com.twにメール(日本語可)すればスムーズに購入できるので、そちらに問い合わせてもらいたい。