8月4日、シマンテックは中小企業向けのエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection Small Business Edition」およびセキュリティスイート「Symantec Protection Suite Small Business Edition」を発表した。発売は8月6日で、Endpoint Protectionの価格は50~99ライセンス購入時で1ライセンス2600円(他社製品からの乗り換えキャンペーン利用時)。
シマンテックでは専任のIT管理者が存在する中~大企業向けには、クライアントPCやサーバといった「エンドポイント」を守るセキュリティ製品として「Symantec Endpoint Protection」を以前より提供している。これに対して、今回発表されたSymantec Endpoint Protection Small Business Editionは、専任のIT管理者が存在しない従業員100名以下の企業を対象とする。集中管理機能やネットワークアクセスコントロール機能などを省いて、価格を下げた製品だ。
同日行なわれた発表会では、まずシマンテック社長の加賀山進氏が登壇。過去12ヶ月に発見された悪意ある行為は、それ以前の20年間より多いという状況がここ最近続いていると、セキュリティの脅威の増加が続いている状況を紹介。にもかかわらず、従業員数500名以下のSMB(Small Medium Business)について全世界で調査したところ、「対策はしたいが人材や予算が不足」しており、事業主や役員、マネージャなどがIT管理者を兼任する企業が多く、特に日本では専任のIT管理者がいるのは34パーセントに過ぎないという結果が出たという。
管理の手間軽減と低価格化を実現
こうした中小企業をターゲットとする製品が、Symantec Endpoint Protection Small Business EditionとSymantec Protection Suite Small Business Editionとなる。前者は、ウイルス/スパイウェア対策、クライアントファイアウォール、ルートキット対策、不正侵入/アクセス防止、脆弱性対策、感染によって影響を受けて設定ファイルやレジストリの自動修復を搭載する統合セキュリティソフトだ。
不正侵入/アクセス防止については、OSやアプリケーションなどに脆弱性を発見すると同時にシグネチャを作成し、配布する「GEB」機能を搭載。これにより、ソフトウェアベンダーによる脆弱性修復のパッチが提供される前であっても、予防的に防御が行なえる。
また、専門知識を持つ専任管理者がいない中小企業向けの機能として、簡単にインストールが行なえるウィザードや、事前に設定済みの通知機能と自動的なセキュリティレポート機能を搭載。さらに、シマンテックが推奨するセキュリティ設定が自動的に適用されるため、追加の設定作業が不要となっている。
コスト面では、新規導入時で5100~4000円、他社からの乗り換え価格では3300~2600円という低廉な価格を実現している。乗り換え版では他社の家庭用製品も対象となるため、量販店購入したウイルス対策ソフトを利用している小規模な事業所などでも、少ないコスト負担で導入が可能となっている。
バックアップ製品がセットのスイート
このSymantec Endpoint Protection Small Business Editionに、バックアップ&リカバリ製品「Symantec Backup Exec System Recovery Desktop Edition」やメールサーバ用ウイルス対策「Symantec Mail Security for Microsoft Exchange」、そしてマッキントッシュ用ウイルス対策「Symantec AntiVirus for Macintosh」をセットにしたのが、Symantec Protection Suite Small Business Editionだ。
エンドポイント製品においてウイルス対策とバックアップをセットにした理由については、シマンテックのマーケティング部の広瀬努氏が解説。それによると、専任の管理者がいる企業であれば、従業員のPCに問題が生じても管理者が対処を行なう。しかし、管理者不在の企業では、従業員が自前で対処しなければならない。その場合、正常に動いていた以前の状態に簡単に戻せる仕組みが必要となる。それが、バックアップ製品というわけだ。
Symantec Protection Suite Small Business Editionの価格は、5~24ライセンス購入時で、1ライセンス1万3800円。各製品を個別に導入する場合に比べ、最大2割の割引となるという。