インターフェイスカードに続いて、ついに標準でHDDのSerial ATA接続をサポートするマザーボードの販売が始まった。第1弾となったのはAbitの「IT7-MAX2」。“レガシーフリーインターフェイス採用マザーボード”として知られる同社“MAX Concept”の最新作で、“i845E”チップセット搭載の従来製品「IT7」の後継と位置づけられる製品である。
ATAインターフェイス。写真右に並んでいるのはICH4によるもので、向かって左に並んでいる黄色いものがHPT374による。その黄色端子に挟まれる格好でSerial ATA端子が用意されている |
搭載するSerial ATA端子は2つで、最大2台のSerial ATA対応HDDを接続可能。パッケージにはSerial ATAケーブルとATA‐Serial ATA変換アダプタを1組同梱しているため、手持ちのHDDをSerial ATA接続して利用することもできる。Serial ATAインターフェイスはMarvell製のATA‐Serial ATA Bridgeによって用意されており、ネイティブ対応というわけではない点には注意が必要だろう。なお、Serial ATAインターフェイスはオンボードのHighPoint製IDE RAIDコントローラ“HPT374”を利用して用意されたもの。HPT374は4chのATAインターフェイスをサポートしているが、右の写真黄色い端子であるATA(=従来の“パラレルATA”)端子と隣接するSerial ATA端子が排他利用なのか、併用できるのか詳細は現在のところ不明。Serial ATAインターフェイスに接続したHDDを利用してIDE RAID構成を行えるかもはっきりとしたことはわからない。
パッケージ同梱のSerial ATAケーブルと変換アダプタのセット。1組のみ | Serial ATA接続の実現に寄与しているHighPoint製IDE RAIDコントローラ | マニュアルによれば、黄色の端子を用いたときのみIDE RAID構成が取れるとされており、だとすればSerial ATA接続時にIDE RAIDは行えない可能性が高いが… |
Serial ATA以外の仕様については基本的にIT7を踏襲しているIT7-MAX2だが、レガシーフリーだったバックパネル部のインターフェイスには今回PS/2端子を2つ用意したため、“レガシーフリーインターフェイス採用製品”ではなくなってしまった。この点は賛否が分かれそうであるものの、“十分な機能を搭載したうえに、さらにユーザー側で拡張の余地がある”という思想からすればアリだろう。特にキーボードはPS/2モデルを利用するユーザーが圧倒的大多数であるため、それほど大きな混乱は生まないと思われる。PS/2端子を用意したためレイアウトには若干の変化が生じているが、USB2.0×6、IEEE1394×2、光デジタル出力×1、5.1chサウンド出力にサウンド入力という豊富なインターフェイスに変化はない。
搭載するコントローラに変化はない | USB2.0ブラケットを同梱するため、USB2.0端子は標準で8つ利用可能。最大は10 |
AGP×1、PCI×4、DIMM×3という拡張スロット構成もIT7と同じ。FSBは100~250MHzの範囲を1MHz刻みで設定でき、VCoreやDIMMスロット供給電圧も可変という点も変わらないため、IT7のマイナーチェンジ版と判断していいだろう。しかしSerial ATAのサポートによって、またしても歴史的な1枚となったのも間違いない。価格はコムサテライト3号店で2万5400円、TSUKUMO eX.で2万5499円。TWOTOP 秋葉原本店でも入荷を確認できた。
なおPCIクロックはFSBに対して1/3、1/4のほか、33/37/44MHz固定も可能とユニークだ |