ファクスや郵送物、新聞や雑誌のスクラップ、名刺交換などで紙の文書を受け取るケースは今も少なくない。そんな場面で活躍するPFUのビジネススキャナー「ScanSnap」の最新モデル「ScanSnap S1500/S1500M」が2月7日に発売される。12世代目となるこの製品では、スキャン後の編集・管理を楽にする5つの新機能が追加されたのが特徴だ。
ビジネス助かる新機能、その1
インテリジェント・クロッピング機能
スキャンする原稿のうち、特定の段落や囲み記事だけが必要、というケースは多い。従来は全面をスキャンして後から範囲指定して切り出すか、原稿(のコピー)をハサミやカッターで切り出してキャリアシートなどに挟んでスキャンする、といった具合に手間がかかった。
S1500では原稿の一部をマーカーで囲んでおくと、自動的に部分切り出ししてファイルに保存する「インテリジェント・クロッピング機能」が搭載された。マーカーの色や種別は特に選ばず、一般的な蛍光ペンや赤ペンなどで囲んでおけばいい。1枚の原稿に複数個所の囲みが設定でき、1つのファイルにまとめるか、個別のファイルに保存するかの選択も可能だ。
ビジネス助かる新機能、その2
インテリジェント・インデックス機能
スキャンしたファイルは、従来からOCR機能を使って認識させたテキストファイルとひも付けた管理が可能だが、特定のファイルをすばやく呼び出すにはキーワード設定が必要だった。このキーワードをいちいちキーボードから入力するのが手間で、ついおざなりになってしまうことも多い。
S1500ではOCRで認識したテキストファイルの一部をマウスのドラッグで選択して、「キーワード設定」ボタンを押せば、自動的にキーワードとして登録される機能を新搭載した。連続操作で複数キーワードの設定もできる。
また、上記のマーカー検出機能を利用して、キーワード部分を事前に塗っておけば、キーワードに自動登録する機能も備えている。
ビジネス助かる新機能、その3 キーワード透かし表示機能
上記の新機能で手軽にキーワードを設定しても、検索機能を使わずに写真やレイアウトを頼りに目で探してしまうという人は少なくないだろう。実際、複数ページにまたがるような大量のスキャンファイルでもない限り、取り込んだ日時などを頼りに見つけた方が手早いということも多い。
そんなときに役立つのが「キーワード透かし表示機能」だ。画像にキーワードが重ねて表示されるため、目で探す時にも見つけやすい。
さらに、「キーワード自動仕分け機能」も新規搭載されており、同じキーワードを付けたスキャンファイルを後から1ボタンでまとめられる。
なお、上記の新機能1~3は、Windows版「ScanSnap S1500」のみ利用可能で、Mac版の「S1500M」では利用できない。また、既存のScanSnapユーザー向けにソフトウェア(ドライバー)のアップデートも予定されていないとのこと。
ビジネス助かる新機能、その4&5
グレースケールの自動判別、A3キャリアシートの混載
こまめにスキャンすればいいものを、月初など時間ができたときに大量の文書をまとめて読み込もう、と資料を「積ん読」状態にしてしまうケースもよく見かける。ScanSnapでは以前からA4より大きな原稿を両面スキャン機能を利用して1パス(1度のスキャン動作)で読み込んで合成する「A3キャリアシート」が添付されている。しかし、これは1回ずつ読み込む必要があった。
S1500/S1500MではA4以外の不定形原稿とA3キャリアシート(最大10枚)をA4定型原稿と混在させて、1プッシュで自動的に読み込むことができるようになった。
また、従来のカラー/モノクロ原稿の自動認識に加えて、グレースケールの自動判別にも対応し、モノクロ写真でも黒つぶれのない見やすい写真としてイメージファイルが作成される。
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このほか、PowerPointファイルへの変換をサポート、Microsoft Office SharePoint Server(MOSS)への対応、スキャン速度の高速化(300dpiまでなら毎分最大20枚、最高解像度の600dpiでも毎分5枚)などのスペック強化が図られている。
価格はWindows版の「S1500」、Mac版の「S1500M」ともに4万9800円。Windows対応のファイル管理ソフト「楽2ライブラリ パーソナル V5.0 セットモデル」が5万9800円で、「楽2ライブラリ パーソナル V5.0」単体は2万5200円。対応OSは、Windows Vista/XP/2000、Mac OS X 10.4~10.5。