これまであった太陽発電グッズといえば、プレートがリュックや鞄に不自然に装着してあって(こんな感じ)、どうにもダサさが抜けない印象があった。地球環境は守りたい、しかしオシャレに暮らしてあわよくばモテたい、という人間のアンビバレンツな欲望を同時に満たすプロダクツ「The Soft House」が登場! ボストンの会社「KVA MATx」が開発した、太陽光を使って発電する布である。
この半透明の「The Soft House」は、太陽光発電の薄いフィルムを織り込んでいるため、とにかく薄く、おまけにオシャレなデザイン。フィルム自体も従来のシリコン製と違って成型がしやすく、工業的なプロセスなしに作ることができるオーガニックなもの。カーテンに使用して家全体を覆えば、アメリカの家庭で1日に使用する電力のほぼ半分の16000ワットを発電できるというから驚き。
開発したKVA MATxは、夜は読書灯として使用できる「ポータブル・ライト」(こちら)など、ファッショナブルさを兼ね備えたプロダクツを生み出してきたオシャレ・エコ会社。この「The Soft House」がスタイリッシュなのもドイツにあるデザインの総本山的美術館「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」からの委託ということで納得。
息をするだけで環境破壊な今日この頃、心地よく暮らせて環境にも良いなんて願ったり叶ったりだが、現時点では恐ろしく高いコストがかかるため、実用化はかなり先のことになりそう。「建築のイマジネーションを過小評価してはならない」というKVA MATxの建築家シエラ・ケネディの言葉を信じて、とりあえず屋上に木を植えたりしながら待つとしましょう。