富士フイルム(株)の「FinePix」シリーズの中で、高機能・高品質なコンパクトデジカメという位置付けの「F」シリーズだが、最新モデル「FinePix F100fd」(関連記事1)はその中でもハイエンドに位置するモデルだ。
F100fdは、同社の最新撮像素子「スーパーCCDハニカム VIII HR」(1/1.6インチ有効1200万画素)、レンズは広角28mmからの光学5倍ズームを搭載する。同時発表された高倍率ズームレンズ一体型機「FinePix S100FS」(関連記事2)と同様に、暗い部分の黒つぶれや明るい部分の白飛びを抑える“ワイドダイナミックレンジ”モードが選択できるのが大きな特徴だが、S100FSとは違って“フィルムシミュレーション”モードを採用していないことから、名称は同社の顔認識機能を示す「fd」となっている。顔検出機能はS100FSと同様に、上下が逆さまになった顔でも検出する“360度認識”、最短0.0036秒の“高速検出”、“赤目自動補正”、“再生時顔ズーム表示”などの機能を持ち、実際に利用してみてもかなりの高速・高精度検出でとても快適だ。
正面から見てやや左にオフセットされたレンズなど、機器配置こそFシリーズに共通のものだが、本体デザインは全体的に新しくなっている。ボディー前面および上面が中央部に向かってわずかに薄くなって、全体的に見ると糸巻き型に見える“ナローシェイプ”デザインを採用。手になじみやすく、太めのグリップを備えないものの手から滑り落ちにくい。前面に指掛かりも特に用意されていないが、ナローシェイプデザインとシャッターボタンの突起によってかなりホールド性は高い。
操作性も大きく変更されている。カーソルキー部分はダイヤルと一体化したものとなり、上下左右の方向入力のほかにダイヤルを回転させることも可能となった。これに伴って「F480」や「F50fd」に搭載されていたモードダイヤルは省略されている。従来どおりカーソルの上下左右にマクロ切り替えやフラッシュのON/OFFが割り当てられているほか、メニューなどを呼び出すのはダイヤル中央部の「MENUボタン」とFinePixシリーズに共通の「Fキー」が用意されている。MENUボタンを押せば、画面右側に円弧状に表示されるアイコン列をダイヤルで回すようにして撮影モードを選択できる。
次ページでは、ワイドダイナミックレンジ撮影について、撮影サンプルを比較しながら検証する。