富士フイルム(株)の「FinePix S100fs」は光学14.3倍ズームレンズを備えるレンズ一体型デジタルカメラだ。大口径レンズや大型撮像素子、広ダイナミックレンジ撮影など豊富な機能を備え、同社のハイエンドにあたるモデルだ。
撮像素子は同社開発の「スーパーCCDハニカムVIII HR」で、有効画素数1110万画素。サイズは2/3インチで、多くのコンパクトデジタルカメラが採用する1/1.8インチよりも若干大きくなっている。同社のハニカムCCDには画素数を高める“HR”と、大小の受光素子を並べてダイナミックレンジを高める“SR”があるが、本機はHRを採用しながらダイナミックレンジを広げる工夫がなされている(ちなみに、同社の一眼レフデジタルカメラ「FinePix S5 Pro」がSRタイプを採用するが、2006年12月発表のモデルで後継機種はリリースされていない)。
レンズシフト式手ぶれ補正機能付きの高倍率ズームレンズ(35mmフィルムカメラ換算で28~400mm)を備えるボディーは大柄で、握りやすい鏡胴部やグリップなども大きく作られている。外装は硬質樹脂だが安っぽさを感じさせない表面処理となっており、各所のラバーコーティングやかっちりとしたダイヤル/ボタン類など、非常にしっかりとしている。
背面には、二重ヒンジ構造によって上90度/下45度まで可変アングルが可能な2.5インチ液晶ディスプレーを装備するほか、上部の軍艦部にはEVFを内蔵するのは望遠ズーム機ならではだ。また、本体上部には大きなモードダイヤルと電子ダイヤルを装備し、上部ボタンでのISO感度と露出補正の変更、側面ボタンでは連写モードといった具合に、“ボタンを押しながら電子ダイヤルを回転させる”という一眼レフカメラらしい操作性が随所に取り入れられている。