鉄道系カメラマンの筆者が、鉄道写真の魅力と、実際の撮影テクニックを解説する本連載。鉄道写真にもいろいろあるが、ここでのテーマはずばり「海外での鉄道写真」の撮り方だ。舞台は斉藤氏が20代の半分を過ごした微笑みの国「タイ」。異国情緒あふれる景色を背にした鉄道写真は、鉄道ファンはもちろん、そうでない人でも楽しめる魅力がある。
ここは東南アジアにおける経済発展の雄、天使の都と呼ばれるバンコクの東端にひっそりと建つアパート。ボクはいつもの様にクーラーがよく効いた快適な部屋で目を覚ました。カーテンを開けると窓からは、日本では滅多にお目にかかれなくなったヤンチャな悪ガキたちが必死で張り合う姿が見える。頼もしい。
日本円に換算して約700円に満たない金額で購入した安物電熱湯沸かし器でお湯を沸かしていると、何故かどこかへ旅立ちたくなった。何だろう、この不自然に燃えたぎる血潮は?
気付くと、ボクは二層式カメラバッグの上段に下着を詰め込んでいた。下層に入れっぱなしだった望遠ズームは抜き出して、代わりに写真バックアップ用のフォトストレージャを突っ込んだ。そして、シャワーも浴びずにそのまま外へ飛び出した。
今回の使用機材
撮影データ付きの写真はすべて、オリンパス「E-510」+標準ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL 14ー54mmF2.8-3.5」の組み合わせで行なった。
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