9代目は“日本のグランドツーリングカー”を目指した。
飯塚 R33 スカイラインと呼ばれる9代目スカイライン。C34 ローレルと共用化したシャーシーにより、伸びたホイールベース、肥大化したボディーなど、訳知り顔による“こざかしい理屈”で評価されやすいが、安定性は高いといいます。個人的には好きなスカイラインであり、R33 GT-Rを一瞬買いかけたものの、冷静になって維持費などを計算したら、思いっきり破産するという結果が出たので思いとどまった記憶があります。ちなみに埼玉県警のスカイラインGT-R好きは有名で、白黒パトカー仕様および覆面パトカーとして、R32、R33、R34 GT-Rが数台納入されていたと思います。
10代目スカイラインは“DRIVING BODY”を標榜。
飯塚 歴代最強のスカイラインが、この10代目となるR34スカイライン。“DRIVING BODY”の名のごとく、ボディーはガッチガチ。“RB25DET”を搭載する標準モデルのスポーツグレード“25GT-t”で、GT-Rと肩を並べる280馬力に到達している。GT-Rは、従来通りの“RB26DETT”を搭載するほか、ブレンボ製ブレーキ、6速MT(マニュアルトランスミッション)、18インチホイールがおごられ、まさに歴代最強の名にふさわしいGT-Rとなっています。2002年の販売終了前には限定車である“M・spec Nur(ニュル)”が販売されるも即日完売し、現在ではプレミア価格が付いているぐらいです。ちなみに海外でも非常に人気が高く、関税の影響からか1000万近い値段で販売されることも珍しくないそうです。日本では500~600万円程度でしょうか。
11代目ではカルロス・ゴーン体制のもと、“The Premium Sports”という高級路線に走った。
飯塚 11代目からは、これまでの直列6気筒エンジンを廃して、V6エンジンをフロントミッドシップに搭載しています。さらにシャーシーを『フーガ』などと共用にした結果、車格が上がり、スポーツイメージが薄らいでしまいました。さらにスカイラインのトレードマークであった“丸目4灯”のテールランプをも捨ててしまったため、車としての評判は悪くないものの、走り屋からはスカイラインとして認識されていないという現状がありますね。ちなみに千葉のチューニングショップ“トップシークレット”により、スカイラインクーペにVK45DEエンジンを換装し、ツインターボ化した“V35 GT-R”が製作され、ドイツのアウトバーンで341km/hを叩き出したことがあります。
なお、会場は撮影場所が決められていたため、一部の車種はうまく撮影ができなかった(スミマセン)。この展示自体は5月6日まで“東京ミッドタウン・ガーデン”で行なわれているので「どうしてもちゃんと見たい」という方は、足を運んでみてはいかがだろうか。