キリン、電気の力で塩味を増す食器「エレキソルト」。スプーン・お椀を2023年発売へ

文●ASCII

2022年09月08日 18時40分

スプーン、お椀型の「エレキソルト」デバイスを開発

 キリンホールディングスは9月7日、明治大学の総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室との共同研究で、減塩食品の塩味をおよそ1.5倍に増強させる独自の技術を搭載したスプーン、お椀型の「エレキソルト」デバイスを開発したことを発表した。2023年の発売を目指し、健康的な食を提案する2社との共同実証実験を9月に開始する。

独自開発の電流波形を用いた際の塩味増強効果(対象者31名の試験結果)

「エレキソルト」デバイス使用時の電流の流れ方

 同社は2019年から宮下芳明研究室と共同で、人体に影響しないごく微弱な電流を用いて疑似的に食品の味の感じ方を変化させる「電気味覚」の技術の活用について研究を行なってきた。その研究成果として、減塩食の味わいを増強させる独自の電流波形を開発し、減塩をしている/していた経験のある人を対象にした臨床試験で、減塩食を食べたときに感じる塩味がおよそ1.5倍程度に増強されることを世界で初めて確認したという。

 同社の調査によると、減塩に取り組む人が「薄味ではなく濃い味で食べたいもの」は、1位がラーメン、2位がみそ汁となった。減塩で食べることを控えているラーメンなどの「ご褒美食」を濃い味で食べたいというニーズや、日常的に食べる習慣がある一方で味に不満を抱えている「汁物」をおいしく食べたいというニーズが高いという。

 このような減塩中の人が抱えている我慢を解消して、食事をより楽しむことを目的として、今回、ラーメンや汁物を食べるのに適した「エレキソルト -スプーン-」「エレキソルト –椀-」を開発した。本製品は、キリンと宮下芳明研究室が開発し、箸型デバイスとして発表した電気刺激波形の技術を、社会実装するためにより発展させ、搭載したもの。

エレキソルト -スプーン-

 エレキソルト -スプーン-は、スプーンの柄にあるスイッチで電源を入れて好きな強度(4段階)を選択した後、通常のスプーンと同じように使用することで、スプーン先端から微弱な電流が食品に流れて効果を発揮する。

エレキソルト –椀-

 エレキソルト –椀-は、お椀の側面にあるスイッチで電源を入れて好きな強度(4段階)を選択した後、通常のお椀と同じように使用する。お椀の底部を手で持つことで、お椀内部に微弱な電流が流れて効果を発揮する。

 同社は、本デバイスと塩分を控えた食事をセットで提供して食事満足度を評価する実証実験を、減塩専門店「無塩ドットコム」を運営するノルトと、暮らしの情報を発信するオレンジページと共同で、9月から開始する。本年中の実証実験で有用性を検証し、2023年に日本国内での発売を目指す。

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