照明の遠隔操作用“指ロボット”を「SwitchBot」に買い換え

文●T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

2019年10月24日 12時00分

「SwitchBot」はクラウドファンディングに登場したころから注目しているアイテムだ。そして過去のレガシーな日常アイテムをIoT化できる可能性の高い“指ロボット”の一種だ。ハードウェア構造はさまざまだが、基本的にはスマホの画面から操作するローカルIoT系とオプションの「HUB」と呼ばれる中継器によってWi-Fiと連携させ、遠隔地からのスマホ操作も実現してくれるタイプもある

照明の遠隔操作用指ロボット「MicroBot Push 2」
が故障し、代わりに「SwitchBot」を衝動買い

筆者は「なんちゃってIoT」系のガジェットが大好きだ。基本的にガジェットが発売されると速攻で衝動買いしている。この連載でも、クラウドファンディングでスタートした“指ロボット ”の「MicroBot Push 2」を利用して、生産終了したAmazon Dashボタンを押させてみたりして“無駄を楽しむガジェット”としてご紹介したことがある。

以前、この連載でも紹介して1年ほど愛用していた「MicroBot Push 2」

電灯をオン・オフするだけではおもしろくないので、当時流行していたAmazonダッシュの柿の種バージョンでワンプッシュ注文もしてみた

その後、つい先日までMicroBot Push 2は本来の推奨機能のひとつでもある、天井灯の壁面スイッチのオン・オフ用超シンプル&単機能指ロボットとして利用していた。ところが、スマホアプリのバージョンアップか何かの拍子で、まったく動作しなくなってしまった。ベッドに入ってから天井灯を消すという大したことのない操作でも、習慣となってしまうと無いと極めて不自由で不便な感覚を覚えてしまうから不思議だ。

柿の種プッシャーを引退してからは、筆者の寝室の天井灯のオン・オフという地味な仕事をしていたが、スマホアプリのバージョンアップを機に動作しなくなってしまった

再度、同じMicroBot Push 2を購入しても良かったのだが、そこはまだまだ未開拓のIoT分野。怖いもの見たさでよく似た機能を提供してくれる「SwitchBot」という同様の“指ロボット”を衝動買いした。

新たに筆者宅に到着した「SwitchBot」。以前のMicroBot Push 2の代替選手だ

SwitchBotもMicroBot Push 2と同様、基本はスマホと指ロボットをBluetooth接続し、専用アプリをスマホに導入、スマホからBluetooth無線の届く範囲で操作し利便性を実現するモノだ。

スマホと連携するIoT系機器のお決まりだが、まずはスマホアプリのダウンロードとインストール、続いてアカウント登録、そして各種設定を行なう

実際のところ、このような機能の必要性や需要市場がいったいどの程度あるのかに関しては筆者にはあまりピンとこないが、よりコントロールエリアを拡大し、出先や旅行先から指ロボットを操作したいユーザー向けには、宅内に設置したWi-Fiルーターへのブリッジ機能を実現するための専用のHUB(通常は別売)も用意されている。

既成のレガシーな壁面電灯スイッチやコーヒーメーカーなどのボタンを操作するなら指ロボットが最適かもしれないが、単に壁面ACコンセント部分の電源オン・オフを操作するだけなら、すでにプラネックスコミュニケーションズの「スマソケ」やTP-Linkの「ミニ スマートWi-Fiプラグ」など、Wi-Fi連携できる遠隔操作も可能な製品があり、筆者も複数愛用している。

SwitchBotもオプションのHUBを追加購入すると、Bluetoothの距離制限を受けることなく遠隔地からリモート操作が可能だが、筆者宅ではWi-Fi接続で遠隔からコンセントに繋がってる機器のオン・オフや電力量の計測や再起動も可能なプラネックスコミュニケーションズの「スマソケ」も併用しているので、SwitchBotはあくまで筆者の寝室内での使用だ

電源を遠隔でオン・オフできる手軽な「ミニスマートWi-Fiプラグ」もなかなか便利だ。自宅用に3台も衝動買いした

さまざまな方式やサイズがあるスイッチに
“指ロボット”を設置するには工夫が必要

繰り返しになるが、今回ご紹介するSwitchBotは専用アプリである“SwitchBot"をダウンロード、インストールしたスマホでのみ操作可能だ。ハードウェア的には以前ご紹介したMicroBot Push 2と似ているが、MicroBot Push 2は名前のとおりPushする指が本体から押し出されてくる構造。一方、SwitchBotは短いアームが本体から回転運動で飛び出してくる仕組みだ。

MicroBot Push 2(左)とSwitchBot(右)。いずれもレガシーなメカニカルな物理スイッチを押す、あるいは引き上げるギア内蔵の“ロボット指”だ。動作はMicroBot Push 2がプッシュ型でMicroBotは回転押し下げ型

いずれの製品も電源を内蔵するが、MicroBot Push 2はUSBで充電する内蔵充電池方式。SwitchBotはCR2リチウム電池だ。実際に動画(SwitchBot)で見てみると、SwitchBotのアーム(指)の動きは一目瞭然だ。

さて、以前ご紹介したMicroBot Push 2の時も同様だったが、極めて多くの種類があり形状の異なる壁面電灯スイッチにSwitchBotを取り付けるのは、なかなかめんどうで個々に対応が必要だ。筆者の寝室の壁面電灯スイッチはスイッチ自体は大きく扱いやすいが、周囲のフレームが細い。幸いにも電灯オンも電灯オフも操作は同じで“押す”だけだ。

従来使っていたMicroBot Push 2を剥がしたので、壁紙もいっしょに剥がれてしまった。3Mの両面テープは極めて粘着力が高く信頼できるが、剥がす際には覚悟が必要だ。幅の狭いスイッチプレートと壁面との段差は、SwitchBotを安定して確実に取り付けにくい

新入りのSwitchBotは充電池ではなく、市販のカメラなどに使うCR2リチウム電池を1個使う

電灯スイッチにはシーソー型を採用し、一方を押して電灯を点けて、今度は反対側を押して電灯を消すタイプのモノもある。感覚的には電灯のオン・オフに2台の指ロボットを両側から挟み込む感じに設置しないとダメだと想像してしまう。

しかし、実際には押して電灯を点けた指ロボットが、押し込んだボタンを再度引き上げることで消灯する方法なら、ひとつの指ロボットでも操作できそうだ。SwitchBotには電灯ボタンを引き上げるための強いナイロン糸の付いたオプションも2個付属している。

SwitchBot本体を電灯スイッチプレートや壁面に取り付ける3Mの超強力両面テープ(上)。下の2つは、SwitchBotでスイッチを引き上げるために利用するパーツ。両面テープ側をスイッチ面に貼り付け、ナイロンの輪をSwitchBotの指に引っ掛けて引き上げる

今回、SwitchBotを筆者の寝室の電灯スイッチに取り付けるにあたって一番めんどうだったのは、前述の細いフレームと、SwitchBotを安定動作させるためにフレーム外に飛び出してしまったSwitchBot本体の一部を、段差のある壁面でも支えなければうまく動作しないことだった。

スイッチプレートの幅が狭く、安定してSwitchBotを取り付けられないため、認可文字が記載された部分に粘着性のクッションを貼り付けて、前述のスイッチプレートと壁面との段差を吸収しようという苦肉の策

SwitchBotをスイッチプレートに取り付ける背面に貼られた、極めて強力な3M社の両面テープであっても、極めて狭く小さな接着面積で両者をしっかりとバランス良く接着するのは、なかなか難易度の高い作業だった。

アプリでSwitchBotを起動し、SwitchBotが指パワーでスイッチを押し下げようとすると、フレームとの粘着面積が小さく指パワーの力が強すぎて、力の大半をSwitchBotそのものを持ち上げてしまうパワーとなり、実際の壁面スイッチを押せないという問題が発生した。

軟かい粘着クッションの効果はなかったため、今度は固いACプラグ保護用のブレードカバーを流用してみたが、別の問題が……

いろいろテストしているうち、結論的には細いフレームのSwitchBotが乗っかる部分だけを少し横に拡張すれば済みそうだとわかった。当初は粘着性の防振シリコンを2枚重ねで使ってみたが、柔軟性がマイナスとなって大した効果は得られなかった。

そこで、ちょうど引き出しに入っていた硬いACプラグのブレードカバーを転用してみたところ、今度はなんとSwitchBotを粘着させたフレームそのものが持ち上がってしまい、またしてもエネルギーは電灯スイッチを押す方向には使われなかった。

ただし、今回うまくいかなかった理由は明快だったので、スイッチプレートのベースプレートを壁に強力接着剤でくっつけることで事なきを得た。

スイッチプレートと壁面を確実に瞬間接着剤で接着すると完璧

SwitchBotと壁面電灯スイッチ、壁面+壁面の高さ調整を見ると完璧だ

MicroBot Push 2とほぼ同じ場所に、剥がれた壁紙もカバーして2世代目のSwitchBotを取り付けることができた

複数機器の操作が前提のアプリのため
1個のSwitchBot操作の場合は見た目が寂しい

SwitchBotアプリは、シンプルな構造とどちらかといえば多少素っ気ないユーザーインターフェースを採用している。複数のSwitchBotの操作パネルを並べて操作することが前提としてデザインされているようで、筆者のようにたった1個のSwitchBotだけを操作する場合、極めて寂しい雰囲気になってしまう。

複数のSwitchBotの操作を1画面でできるようにしたため、ちょっと余白が多すぎて締まらないSwitchBotのスマホアプリの画面、SwitchBotの形をしたアイコンにタップするとSwitchBotの指が動作する

基本的には、SwitchBotアプリはこの手の多くの他のアプリと同様、遠隔からインターネット経由でクラウドを利用するサービスに発展する仕組みなので、メールアドレスなどによるアカウント登録を行なうことが前提だ。あとはお約束のアカウント登録だ。

スマホからBluetoothを経由してSwitchBotの“指ロボット”の動作時刻をタイマー機能を利用して複数設定することも可能だ。前述のとおり、今のところ筆者は部屋の一番奥に設置したベッドの中から、部屋の入り口横にある天井灯のオンオフを操作することだけで十分満足している。

スマホアプリ側の設定にはさまざまなメニューがあるが、オプションのHUBが必要な“クラウドサービス”を除けば“タイマー”機能がユーザーにとって便利だ

指ロボットの動作時刻を細かく設定できる。出発前にセットしておけば、別に出先から遠隔操作しなくても留守中の自室の電灯オン・オフは可能だ

オプションのHUBを導入することで、遠方のスマホからインターネットを介して同様の操作を行なったり、AmazonやGoogleのスマートスピーカーを利用して音声で天井灯のオン・オフなどができるようになるが、今のところその必要性は感じていない。

現在の一番の問題は、以前のMicroBot Push 2の時も同様だったが、我が家のワンコの「ボビー」がSwitchBotとそのギアの独特の動作音が嫌いなようで、毎晩ベッドから室内灯を消すと大騒ぎすることだ。人は何とか理屈でIoTになじむことがあっても、ワンコには当面無理なようだ。そろそろIoTの再定義や再発明の必要な時期かもしれない。

我が家の現在の最大の問題は、愛犬の「ボビー」がSwitchBotのギア動作音に絶対的な不信感を抱いていること。寝ようと思ってSwitchBotを動作させて天井灯を消そうとすると、扉を叩いて部屋から脱出しようとする

今回の衝動買い

アイテム:Wonderlabs「SwitchBot
・購入:Amazon.co.jp
・価格:3584円


T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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