スマホ用アウトライナーアプリ「WorkFlowy」は本格的な長文を書くときに大活躍!
文●柳谷智宣
2017年10月12日 10時00分
スマホでもメモアプリがたくさん公開されているので、文章を書くのは簡単。しかし、構成を考えて長文を入力する場合、画面の小さいスマホでは一覧性が悪いのがネックだ。同じ内容を繰り返したり、冗長な文になってしまうこともある。そんな時は、任意のブロックで本文を折りたためるアウトライナーが便利。
今回は無料で使える「WorkFlowy」の使い方を徹底紹介する。
箇条書きにした見出しや本文を階層構造で見やすくする
数百文字の文章であれば一気に入力してしまえばいいが、数千文字数万文字といった原稿は、全体の構成を何度も確認する必要がある。メモアプリなど、テキストがずらっと表示されていると、上下のスクロールが面倒。そんな時に便利なのが、アウトライナーだ。
アウトライナーは、箇条書きで文章を入力するテキストエディターで、それぞれの階層を自由に設定し、それらの階層を自由に折りたためるのが特徴。たとえば、単行本の執筆に使うのであれば、章見出し、中見出し、小見出し、本文で階層を区切り、必要なところだけを狭い画面内にまとめて表示できるのだ。
様々なアプリが公開されているが、今回は無料かつPCでもデータにアクセスできる「WorkFlowy」を紹介する。「WorkFlowy」はそれほど高機能でも、UIが洗練されているわけではないのだが、アウトラインを利用して文章を作成する、という1点においてしっかり使えるので人気を集めている。
まずは、「Sign Up」からアカウントを作成する。もちろん、ウェブサイト(https://workflowy.com)から作成してもいい。その後チュートリアルが表示され、シンプルな作成画面が開く。
WorkFlowy(iOS版)
WorkFlowy(Android版)
作者:WorkFlowy
価格:無料(アプリ内課金あり)
※アイコンの横の文字をクリックで、ダウンロードサイトにアクセスします。
アウトライン構造を意識しながら文書を作成できる
「+」をタップすると、その画面の一番上の階層に項目を追加できる。そのまま大見出しを入力してみよう。項目の●をタップすると、その項目をトップとする入力画面が開く。ここで入力すると、大見出しのひとつ下の階層として入力される。入力した項目を選択し、左上の矢印ボタンで階層を上げ下げすることも可能だ。
階層化されている項目は、右側の+-をタップすることで、展開したりたたんだりできる。ここがアウトライナーのキモとなる機能だ。入力中の項目や参照したいブロックだけを表示し、不要な部分はたたんでおけばいい。文書の一覧性が向上し、構成を意識しながら文章を入力していけるようになる。
右上に「Note」というボタンがあるが、これは項目に注釈を入れられる機能だ。小さめのグレーの文字で表示される。これを項目の説明に使えばいい。
ただし、他の使い方もできる。「Note」は階層とは別扱いなので、改行が利用できるのだ。そのため本文を入力するのにも利用できる。また、無料アカウントでは1ヵ月間に作成できる項目数が250個までと決まっているが、「Note」はここにカウントされないのだ。そのため、ここに本文を書くなら書き放題というわけだ。
筆者としては、本文でも段落を入れ替えたり、一部をたたんだりしたいので、「Note」ではなく、普通の項目として入力する方が便利に感じる。これは好みで使い分ければいいだろう。
項目は長押しすることで移動できる。順番の入れ替えだけでなく、階層の移動も可能。その下に入力した項目もまとめて移動できる。
長文の下書きだけでなく日記やToDoリスト
アイディア出しにも使える
アウトライナーは長文を執筆する時以外にも活躍してくれる。本アプリはToDo管理機能を備えており、プロジェクト管理にも利用できるのだ。たとえば、項目を選択して右上の「Complete」をタップすると、文字が薄いグレーになり、打ち消し線が表示される。さらに、項目を選択しない状態で右上のメニューから「Completed:Visible」をタップすると、完了した項目を非表示にできるのだ。
PCのブラウザーから作業の続きや
エクスポートができる
「WorkFlowy」のウェブサイト(https://workflowy.com)にログインすることで、スマホアプリで入力したデータを表示したり、続きを作業したりできる。
また、作成した文書をテキストファイルにするのも、ブラウザーから行なう。右上のメニューから「Export All」をクリックすると、「Export List」ダイアログが表示される。普通のテキストで保存できる「Plain text」をはじめ、HTMLで出力する「Fomatted」や一般的なアウトライナーで利用できる「OPML」形式が利用できる。ダイアログからコピーしてもいいし、「Click to Download」をクリックして、ダウンロードしてもいい。
「WorkFlowy」の無料アカウントでは、1ヵ月間に250個まで項目を作成できる。利用料はメニューから「Settings」を開くと、「Current Monthly Usage」のゲージで確認できる。この制限を超える方法がふたつある。まずは、「Get Free Space」をクリックして、友達を招待すること。友達が利用してくれれば、もう250個利用できるようになる。
もうひとつが有料プランにアップグレードすること。月額4.99ドルで、年払いにすると49ドルと割安になる。クレジットカード払いが可能で、契約すると無制限に項目を追加できるようになる。また、Dropboxに自動的にバックアップを保存したり、パスワード機能やテーマ機能を利用できるのも見逃せない。
以上が「WorkFlowy」の説明書となる。アウトライナーを探しているなら、無料でさくっと使えて、PCのブラウザーでも利用できる「WorkFlowy」がおすすめ。長文を入力することが多いなら、一度アウトライナーを試してみよう。全体を把握できるので、効率的に作業できるようになるはずだ。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。