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T教授の「戦略的衝動買い」 第773回

Galaxy純正の遺失物トレースタグ「SmartTag2」を衝動買い

2024年02月23日 11時45分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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筆者が初めて買ったスマートタグと比べれば大きな進化

 さて簡単にSmartTag2の設定とその運用に関してご説明しよう。スマホによるSmartTag2の認識と設定、登録はほかのスマートタグと大差はない。SmartTag2の電源を入れスマホのBluetoothをオンすることで自動で認識し、事前にダウンロードした専用アプリである「SmartThings」というアプリと自動で紐付けしてくれる。

 スマートタグの世界では先行するTileやMAMORIOと異なり、iPhoneとAirTagの関係と同じくSmartTag2はGalaxyスマホを使用しているユーザー専用のスマートタグだ。なので前述したアプリのSmartThingsはより大きなGalaxyの世界観で、Samsungのスマートテレビやそのほかのアプライアンスなども含め、壮大な世界をコントロールすることを目指している。

 筆者のようにSmartTag2だけをちょっと使ってみようなんてことを考えているなら、不要な機能がてんこ盛りでまたしても無駄の集合体に映ってしまう。どうも大手のメーカーは壮大な構想でユーザーの全てのIoTライフを自社だけで囲い込もうとするようだ。

 筆者はアプリと連携した白と黒のSmartTag2を、黒はすでに先にMAMORIOを取り付けているThinkPad X1 Nanoを収納したモバイルPCケースのジッパープルに追加で取り付けた。もう一方の白い方は、どこに行くにもほぼ常時持ち歩いているTYVEK製のブリーフケースに取り付けた。

 実際のSmartThingsアプリの画面では、普段2つのSmartTag2が接続済みとして見える。画面上のSmartTag2アイコンは運用で最終的に取り付けた対象物(カバンやPCなど)のアイコンに設定画面で置き換え、SmartTag2の本体カラーをテキストで加えて自分のための識別として使っている。

 「Pet Care」アプリにリンクすると散歩の履歴を記録共有できるとのことだったが、過去のスマホ上の記録では1日1万歩(人換算)以上を散歩していた我が家のワンコも16歳を超え、ほぼ毎日家でマッタリなので実験はパスした。

 このような事情で、残念ながら今回はPet Careは評価することができない。そのほかの設定は他のスマートタグ同様、SmartTag2をスマホから呼んだ場合の音量や着信音、バッテリー運用などをきめ細かく設定可能だ。

 SmartThingsアプリによるSmartTag2の地図上のマッピングも、他社アプリと類似している。アプリが動作しているスマホも一般的なスマートタグの仲間だとみなされる。なのでスマホとSmartTag2を取り付けたカバンやPCケースが全て自宅にある時は、3つのアイコンは地図上の同じ位置に集まって重なって表示される。

 カバンとスマホを持って出かけた先で、同様にカバンとPCケースの所在を見てみると、自分の現在位置にスマホとカバンがあり、自宅に置き忘れたPCケース(黒いSmartTag2)の存在が見える。先日、仕事で関西方面に新幹線で向かっている途中でSmartThingsのマップ画面を見てみたら、カバン(白のSmartTag2)はスマホと一緒に新幹線内の手元にあるのがよく分かった。

 どこかに置き忘れてしまった大事なアイテムがあれば、スマホとのBluetoothリンクが切れた時点でその場所のGPSアドレスが記録される。紛失したことに気が付いたユーザーは、SmartThingsアプリを起動しリンクが切れた場所を特定し、「ナビゲート」をタップすることで紛失場所までGoogleマップがナビゲートしてくれる。

 また自宅やオフィス内でどこに置いたか分からなくなったSmartTag2付きアイテムを探すのは、従来よりそのUIははるかに進化している。SmartTag2の場合「近くを捜索」をタップすることで、Bluetoothの感度を利用して何とかSmartTag2のある場所まで案内してくれる。またどこに置き忘れたか分からないスマホを、SmartTag2のボタンを押してスマホの発するアラート音で見つけることも可能だ。

 見失った探し物の限りなく近くまで来ているにも関わらず、何か別のモノの下敷きになっていたりして隠れている場合などは、「タグを鳴らす」を選択することでBluetoothの届く範囲なら探し物は何とか見つかりそうだ。

 SmartTag2は筆者が初めて買った8年前のスマートタグと比べれば大きな進化だが、この製品に限らず他社製も含め全てのスマートタグ製品は時々大きなミスを犯すことがある。今回のSmartTag2も自宅に意図的に置いてきた白いSmartTag2を取り付けたカバンが、どこか家を出て数百メートル移動してもずっと筆者の持ち歩いているスマホと同じ位置に表示されることがあった。

 この状態で途中で切れたりするイベントが起こりそれが記録されると、本来のカバンは自宅にあるのに紛失場所はその歩いて来た道のどこかにプロットされることになってしまう。現在販売されているスマートタグ系のデバイスはまだまだ完成品とはいえないIoTガジェットだ。スマホを踏み台にせずに独立して動作する次世代のスマートタグが登場してくるまで、「技術上のできる」と「本当に便利」とを切り分けて使うモノだと考えている。まだまだ頼り切れるデバイスではないだろう。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:サムスン電子「Galaxy SmartTag2」ホワイト/ブラック
・価格:4060円(ホワイト)、4020円(ブラック)

・アイテム:サムスン電子「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」
・価格:2040円

・購入:ビックカメラ.com

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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