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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第198回

アップルやアマゾンは好き勝手なプラットフォーム運営をしていないか

2022年09月26日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 GAFAを始めとした、デジタルプラットフォームに対する風当たりが世界的に強まっている。

 そんな中、日本でもデジタルプラットフォームの透明性をテーマとする会議が、地味に進んでいる。

 経済産業省が主催する「デジタルプラットフォームの透明性・公正性に関するモニタリング会合」という会議だ。

 この会議は「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(デジタルプラットフォーム取引透明化法)に基づき、2021年12月に初会合が開かれ、2022年9月までに計6回開かれている。

 デジタルプラットフォームに対しては、利用しないとビジネスが成り立たない企業や個人がたくさんいるのをいいことに、好き勝手な運営をしているのでは、という疑問が常につきまという。

 それだけに、これまでの「モニタリング」がどのように進んでいるのかを、確認してみたい。

対象はオンラインモールとアプリストア

 今回、規制の対象とされたのは、オンラインモールとアプリストアを運営する以下の5グループだ。

オンラインモール:アマゾンジャパン、楽天グループ、ヤフー
アプリストア:アップルとiTunes、グーグル

 有識者らによるヒアリングなどを通じて、対象企業の運営状況を評価することがこの会議の目的とされている。

 GAFAと呼ばれる大手IT企業の中では、フェイスブックが対象外とされたが、モールやアプリストアの機能を中心とする企業が対象となったためだろう。

 GAFAMに広げた場合、マイクロソフトも対象になりそうだが、こちらも外れている。

政府側の疑問

 政府側は初回の会合で、利用事業者からの情報をもとに、オンラインモールとアプリストアに共通する次のような疑問を提示している。

  1. 出店手数料を含め、規約を一方的に変更する
  2. 売れ筋商品を、後追いで販売する
  3. 自社や関連会社の商品を優遇する

 1番目の手数料については、規約変更に同意するかしないかを決める選択肢が表示され、同意しないと先に進めなくなり、事実上、同意するしかないというケースもあったとされる。

 2番目の後追い販売は、利用事業者の売れ筋商品の販売データを見たうえで、後追いで、類似する商品を自社ブランドで販売するという手法を用いているのではないかという疑問だ。

 こうした疑問あるいは批判に関連して、よく話題にのぼるのはAmazonベーシックだ。

 Amazonのサイトを改めて確認すると、各種ケーブル、電池などにとどまらず、テントや布団まで自社ブランドで販売している。

 ただし、プラットフォーマー側は、「利用事業者の個別の取引データを自社の直接販売に用いることはない」と反論している。

 大手スーパーやコンビニも、同様の手法で時々批判されているが、Amazonと大手スーパー・コンビニに共通するのは、他社が製造した製品の中で、何がよく売れるのかを知ることができる立場だという点だ。

 3番目の自社商品の優遇は、たとえば、アプリストアで検索をしたときに、自社や関連する企業が開発したアプリが上位に表示される、という疑問だ。

 プラットフォーマー側も当然、「検索結果を優遇することはない」と反論している。

 手元のiPhoneのアプリストアで、「表計算」のワードで検索してみると、広告を除き、表示1位がExcel(マイクロソフト)、3位がGoogleスプレッドシートで、アップルのNumbersは7位だった。

「販売事業者と競合することはない」とするアマゾン

 経産省の「モニタリング会合」は、8月25日から9月22日に4回の会合を集中的に開き、プラットフォーマー各社のヒアリングを実施している。

 8月25日の会合では、政府側の疑問に対する、各社の回答が公開されている。

 たとえば、アマゾンジャパンは、プライベートブランドをめぐる疑問に対し、次のように答えている。

 「直販事業を通じて販売事業者様と競合する目的で販売事業者様の固有データを使用することはなく、販売事業者様をサポートするため、又はお客様のお買い物体験をより良くするためにのみ使用する」

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