NFT(Non-fungible Token、非代替性トークン)市場への、大企業の参入が相次いでいる。
2022年4月13日にはLINEがNFTのマーケットプレイスを開設した。
吉本興業の芸人のネタや、アニメ作品「機動警察パトレイバー」の動画や画像をNFTとして販売する。
2月と3月には、楽天、SBIもそれぞれNFTのマーケットプレイスを開設している。
大企業が参入する以前から、NFTは大きな成長が見込まれるマーケットとして期待されてきた。実際に、世界でのNFTの取引は、2021年上半期ごろから急拡大している。
ただ、海外では地味に減速が始まっているとも取れるデータもある。
将来のブレイク芸人を探せ?
多くの異論がありそうだが、NFTはいまのところトレーディングカード(トレカ)に例えて説明するのがよいのではないか。
レアで人気の高いポケモンのカードは、発売時の数百倍の価格で取引されている。
4月上旬に報じられたニュースによれば、米国の人気YouTuberがプロレスに登場した際、7億円のピカチュウのレアカードを首からぶら下げていたそうだ。
YouTuberが持っているのは、世界で最も高価なポケモンカードとも言われている。
吉本興業がLINEのマーケットプレイスで販売するのは、芸人のコント動画だ。
3つのネタが1セットで、3000円の価格が付いている。
27組の芸人のコント動画54本が販売されていて、54本そろえた人には、27組のサインNFTが贈られる。
通常のサインや限定動画と違うのは、購入者にはNFTが付与されることだ。この動画やサインはコピーではなくオリジナルであることを証明する履歴が、ブロックチェーン上に記録される。
吉本芸人について多くの知識はないが、27組の顔ぶれは、若手あるいは中堅と呼ばれる芸人たちが多い印象を受ける。
今後、27組の芸人の中からブレイクする芸人が出た場合、ポケモンのトレカのように、サインやコント動画の価格が数百倍に跳ね上がるかもしれない。
FMラジオ局J-WAVEも、NFTで新人ミュージシャンを支援するプロジェクトを始めている。こちらは、ミュージシャンのデモ音源をNFTとして販売する。
2025年に9兆円市場に?
NFTのマーケットをめぐっては、少なくとも今後数年間に関しては強気の予測が目立つ。
1年前の記事ではあるが、ロイターは2021年7月6日、2021年上半期にNFTの売上は約25億ドル(約3138億円)に達したと報じた。
2020年の上半期は1370万ドル(約17億円)ほどのマーケットだったが、日本円換算の単純計算で、市場規模はが1年で184倍に急拡大したことになる。
さらに2022年1月21日のcoindeskによれば、投資銀行ジェフリーズは、2022年の市場規模を約4兆円と見込み、2025年には9兆円を超えると予測している。
先行するマーケットプレイスには減速感も
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