色調の変更や「アレクサ!電気つけて!」にも対応
最後になったが、筆者個人的には活用の予定はほとんどないが、下位機種のMFL2も、センサーが内蔵されており、IoTごっこは可能だ。照明では、電球色と昼光色、明るいと暗いの2次元スペースを指先でタップしてお気に入りの照明カラーミックスを選択してプリセットも可能だ。もちろん流行りの“アレクサ!電気つけて!”にも対応している。
また温度、湿度をモニターリングしながら、ユーザーが任意の時間帯と閾値を設定して、オーバーしたりアンダーしたりした場合にアラートとしてMFL2が音声メッセージを発したり、登録したメアド宛にアラートメールを送信することもできる。
SNCに限らず筆者宅のルームエアコン“エオリア”もMFL2同様、IoTごっこが大好きなようで、室温や湿度、内蔵センサーを使って“ひと検知”までやってくれる。SNCもパナソニックも、すべての家電品やネットワーク機器のすべてを同一メーカーで揃えれば、そこそこ機能を発揮するかもしれない。
しかし、各メーカーには得手不得手の商品分野があり、クラウドサービスの保有や経験値も異なる。そこにユーザーの趣味や経験が混じると、もはやどこか1社の製品とアプリだけで作り上げるホームIoTの世界などは、あり得ない理想郷だと思ってしまう。まだまだ単一企業が、IoTごっこのイニシアティブを取るのは難しい時代だ。
繰り返しになるが、MFL2はレガシーソニーの子会社であるネットワーク企業がオーディオ的なエッセンスを少しふりかけたホームIoT製品だ。残念ながら発売と同時に飛びついた多くのHi-Fiソニーブランドに期待したユーザーが、ネット上には今も不満を抱いたまま多く存在している。
筆者は原稿書きをしながら眉間にしわ寄せてスピーカーの送り出す音の粒子や粒度に耳を傾けるユーザーではないので、今のままのLo-Fiでも支障はない。しかしできるならSNCは次期MFL3として、レガシーHi-Fiソニーの全面的支援を受け、IoTごっこは中断して、市場に溢れる憤懣やり方ない多くのソニー大好きオーディオユーザーを黙らせる「Hi-Fiマルチファンクションライト3」を発売してみてはどうだろう。
今回の衝動買い
アイテム:ソニーネットワークコミュニケーションズ「マルチファンクションライト2」(MFL-1100S)
・購入:Amazon.co.jp
・価格:2万9700円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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