Alder Lake向けプラットフォームで
インテルがATX12VOを大々的に導入予定
ということでやっと話が冒頭につながることになる。現状のATX12VOは、かつてのBTX並みに誰も使わない規格のまま終わりそうな雰囲気だったわけだが、なぜかインテルはこのATX12VOをAlder Lake向けプラットフォームで大々的に導入しようとしているらしい。
もちろん長期的に見れば電源の低価格化につながるし、SATA HDDなどを大量につないだりしない限りはシステムもすっきりまとまるだろう。またフルサイズのATXマザーボードではあまり効果はないだろうが、Mini-ITXなどのシステムではコネクターサイズの小型化はそれなりにうれしいだろう。
その一方で、あれこれ電源が必要な周辺機器満載が想定されているハイエンドマザーボードでは、ATX12VOはいろいろ厳しいことになりそうだ。水冷システムはしばしばSATAコネクターから電源を取っているし、さまざまな照明やケースファンの数も多いので、SATAデバイスまで行き渡らない可能性があるからだ。どちらかと言えばBTX同様にビジネスPC向けに喜ばれそうな規格ではある。
厄介なのはスタンバイ電源が+5Vから+12Vに切り替わってしまったことで、ATX12Vの電源のコネクター変換をするだけでは済まない場合があり得ることだ。スタンバイ系を使わないようにマザーボードを作ることは不可能ではないが、いろいろ制約があるので厳しい。したがってAlder Lake対応といっても、短期的にはハイエンドマザーボードがATX12VOに急に切り替わることはなさそうだが、長期的にはATX12VとATX12VOの両対応の製品が出てくるかもしれない。
ちなみにこのATX12VOはインテルが策定した仕様ではあるが、別にインテルだけしか使えないわけではなさそうで、AMDや将来的にはArm SoCなどでもこれを利用する可能性がある。むしろ過去とのしがらみがないArm SoCの方が積極的に採用するかもしれない。
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