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6Uサーバーラック+UPS+遠隔監視ソフトなどで構成する「EcoStruxture マイクロデータセンター」

シュナイダー、エッジIT環境向け“超小型データセンター”発表

2020年01月16日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 シュナイダーエレクトリックは2020年1月15日、エッジコンピューティング環境向けのITインフラソリューション「EcoStruxture マイクロデータセンター」を発表した。壁掛けも可能な6Uサーバーラックに、UPS(無停電電源装置)、物理セキュリティ、リモート監視ツールといった製品群を組み合わせ、幅広い業務現場への設置とリモートからの一元的なIT環境監視/管理を可能にする。

「EcoStruxture マイクロデータセンター」本体(前面/側面パネルを外したところ)。6Uサイズでラックマウントサーバーも搭載できる奥行きがあり、背面ファンも備える。NetBotzシリーズの監視カメラなども統合可能

シュナイダーエレクトリック セキュアパワー事業VPの多田直哉氏

シュナイダーエレクトリック セキュアパワー事業 事業開発本部の今野良昭氏

エッジに適した“小型ラック+リモート監視+物理セキュリティ”ソリューション

 EcoStruxture マイクロデータセンターは、シュナイダー製の小型サーバーラックにUPS、PDU、物理セキュリティ、リモート監視ソフト、監視サービスを組み合わせて構成される、エッジ環境向けのITインフラソリューション。

 まずサーバーラックは、新製品の「NetShelter WX 6U Low-Profile Wall Mount Enclosure」。縦型6Uサイズで、一般的なサイズのラックマウントサーバーを搭載できる奥行きを持つ(幅353mm×奥行き968mm)。耐荷重は113kg。床置き(キャスター対応)だけでなく壁面への壁掛けも可能で、設置スペースの取りにくい現場へのエッジIT環境設置を容易にする。前面ドアはダストフィルターを標準で装備し、物理施錠が可能。

新製品の小型サーバーラック「NetShelter WX 6U Low-Profile Wall Mount Enclosure」。ラックサーバー搭載や壁掛け設置が可能で、幅広い現場と用途に対応する

 UPSは、設置現場の環境に応じた2シリーズをラインアップする。一般的なオフィスや屋内などにはリチウムイオンバッテリー採用で長寿命/軽量を実現した「Smart-UPS Lithium-ion」を、また工場や倉庫などには動作環境-10~+55℃など高い耐環境性を持つ「SecureUPS Online」を用意している。

UPSは設置環境に合わせて2シリーズから選択可能

 PDU(配電ユニット)としては、ラックマウント型の高性能電源タップ「AP7900B」をラインアップしている。PDUを利用することで、リモートから電力使用量をモニタリングしたり、機器のコンセントを通じた電源オン/オフやリブートが可能になる。

 物理セキュリティ製品として「NetBotzシリーズ」もラインアップする。NetBotzは温度、湿度、振動、近接といった各種センサーや監視カメラを接続することができ、不審者の侵入やラックドアの開放を検知して管理者にアラートを通知したり、環境温度の変化に応じてラック内蔵ファンを稼働させたりすることが可能だ(監視カメラモデルは今年上半期からの提供予定)。

PDUと物理セキュリティ「NetBotzシリーズ」もラインアップ

なおラックの奥行きが長いため、UPSとPDU、NetBotzをラック前後に収め、ラックスペースを節約することも可能だ(写真はデモ機を横から見たところ)

 ITインフラ監視ツールとしてクラウドDCIM「EcoStruxture IT Expert」もラインアップしている。多拠点に配置したマイクロデータセンターから運用データを収集し、リモートからの一元監視を可能にする。さらに今年上半期には、IT Expertで収集したデータに高度な分析を適用してプランニングやシミュレーションなどを実現する「EcoStruxure IT Advisor」も提供を開始する予定。

 監視についてはもうひとつ、シュナイダーがリモート監視業務を代行する「EcoStruxture Asset Advisor」サービスもラインアップしている。24時間365日の監視代行に加えて、機器の異常や不具合を検知した場合にはシュナイダー側からプロアクティブに修理交換などを行う保守契約を結ぶこともできる。

監視ツールのクラウドDCIM「EcoStruxture IT Expert」や、運用監視サービス「EcoStruxture Asset Advisor」も提供できる

 なお上述した製品/サービスは、顧客のニーズに応じて自由に組み合わせて構成することが可能。パートナー経由での販売となるため価格は公表していない。

「大型データセンターの主要ファシリティをワンボックスに収めた」製品

 記者発表会に出席した同社 セキュアパワー事業 VPの多田直哉氏は、エッジコンピューティング環境にまつわる顧客課題とシュナイダーが提案するソリューション、さらにターゲット顧客などを説明した。

 ビジネスのデジタル化に伴って、あらゆる業界でエッジコンピューティングのニーズが高まっており、すでに業務遂行のうえで“必須”になっている現場もある。ITインフラには「IT環境の安定運用」を支える役割が強く期待される一方で、顧客からは「限られた人員で多拠点を管理しなければならない」「現場の設置場所が限られる」「ITインフラの標準化や統合ができておらず運用が非効率」といった課題もよく聞かれるという。

 そうした課題解消を目指しシュナイダーが提案するのが、今回のマイクロデータセンターだ。多田氏は「大型データセンターの主要なファシリティを1つのボックスに収めたのが、今回のEcoStruxture マイクロデータセンターだ」と説明する。エッジ環境向けの小型ラックだけでなく、リモート運用監視製品も組み合わせた“ソリューション”として提案している点が重要だと強調した。

エッジITインフラの課題とマイクロデータセンターによる解決手法。シュナイダーのグローバル網を生かし、海外拠点も含めて展開やサポートができる点も強調した

 EcoStruxture マイクロデータセンターの主なターゲットとしては、多店舗展開している小売業、情報共有ネットワークを導入する医療機関や介護施設、広いキャンパスに施設が点在する大学やデジタル化を推進する小中高校などを挙げた。そのほか、設置場所を柔軟に選べることから、製造業の工場などからも期待が寄せられているという。

 今後、顧客企業向けの導入支援策として、シュナイダー製品/主要ITベンダー製品に対応するオンライン構成支援ツール「Local Edge Configurator」や、パートナーベンダーと共同設計したリファレンスデザインを提供する。さらに顧客指定の構成による事前検証/設定済みでの工場出荷や設置、リモート運用監視サービスなどを、パートナーと共に展開していく。

リファレンスデザインの提供、事前検証/設定済みでの工場出荷など、パートナーとも共同で導入支援策を進める

 なお今後の提供形態として、従来からのパートナー経由での製品販売に加えて、マネージドサービスプロバイダー(MSP)経由でのパッケージソリューション販売も展開していく。マルチテナント運用にも対応するEcoStruxureITをMSPに提供し、運用監視サービスも含めてMSPから一括提供するかたちだ。個別業種に特化した顧客を持つパートナーにも広げていきたいと、多田氏は語った。

 「シュナイダーでは、エッジ領域のビジネスで今年度30%の売上増を見込んでいる。これからも顧客ニーズに目を向け、ソリューションとして提案、提供していく」(多田氏)

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