精鋭がそろう、育つ生産セル
人の力に驚く
ピッキングされたパーツとケースは、生産セルに送られる。生産セルは、1台のパソコンを工程ごとに分けて複数人で組み上げるラインと、1人1台組み上げるラインに分かれている。前者は通常のBTOパソコンを担当し、後者は特殊なパソコンや法人向けなどを担当している。後者は熟練のスタッフが担当している場合が多く、幅広いカスタマイズに対応できるという。加えて、ノートパソコンやタブレットなどの生産セルも別に用意してあった。
製造ラインでは、バーコードを読み込むとパーツの種類と、マザーボードのどこに何を差せばいいのか、注意点などが目の前のディスプレーに表示される。これにより、新しく入ったスタッフの方でも迷わずに組み立てることが可能になっているのだ。
また、製造ラインで組みあがったパソコンは、最後にUSB端子がしっかり動作するかをチェックしてうえで、次の行程に進められる。同社の製造ラインは、人のスキルに加え、ディスプレーに表示される細かな指示により、かなり効率化されているように感じた。ただし、やはり見学していて感じたのは、1人1人のスキルの高さだ。スタッフさんが黙々と作業され、次々にパソコンが組みあがっているのは圧巻だった。
1台10分前後で組み上げる
速さと正確さは比例する
ちなみに、新しく入ったスタッフはまずしっかりと研修を受け、製造ラインを担当する際ははじめベテランの人に助けてもらいながら仕事を覚えていくとのこと。ちなみに負けず嫌いの人は、早くベテランの人の手を借りないようにすぐ工程を覚えるため、成長が早いのだという。今回100万円PCを組み立てた熟練のスタッフさんによると、そういう人は2ヵ月くらいで1台のパソコンを10分ほどで組み立てられるようになるそうだ。
また説明を聞いていて驚きだったのが、同社のスタッフさんの特長として、組み立てるスピードが速くなるほど、組み立ての正確さも比例してあがっていくということ。これは、スピードを上げるために組み立ての基礎や工程をしっかり学ぶため、その分ミスも減っていくのだという。
組みあがったパソコンは、OSや各種ソフトウェアをインストールし、正常に動作するかのチェックの行程に入る。ここでも同社独自のシステムにより、注文されたパソコンごとにインストールするソフトウェアも自動でインストールされるようになっているという。なお、ここでもシステムだけでなく人のチェックも入る。とくにヘッドフォン端子など音に関しては、実際にイヤフォンを差して問題がないかチェックしていた。
最後に、各パソコンごとに必要なシールを貼る作業や、同梱品を入れる作業が実施される。シールの種類や同梱品もバーコードを読み込めばディスプレーに表示されるようになっている。ここもスタッフさんが素早く作業をされていた。はじめから最後まで、システムと人両方の手が加わってより効率化、正確化を確立しているのがスゴイなと感じた。