実際のところ“買い”なのか
8型Winタブ「Venue 8 Pro」を実際に街に連れ出したり家で使ってみた
2015年04月21日 08時00分更新
税込み約2万5000円でマイクロソフトのOffice 2013が付いた8型Windowsタブレット「Venue 8 Pro 3000シリーズ」。前回でベンチマーク数値こそ若干劣る数値であるが、実用度は決して低くないことがわかった。そこで、3回目の今回、もう少し使い込んでみて、実際のところ“買い”なのかそうでないのかを結論づけてみた。
十分使える8インチWindowsタブレット
最小限のスペックの8型Windowsタブレット、Venue 8 Proだが、実用として使ってみると「使えるタブレット」と言ってよいほど快適だ。もちろん上位スペックのマシンのほうがより快適なのは当たり前なのだが、これはこれで十分にアリだ。
まず、Web閲覧マシンとしての利用では、Androidタブレットと遜色なく使えるばかりか、動画をはじめ細かな仕組みが埋め込まれているWebサイトの表示では本格的なWindows+Internet Explorerという組み合わせの再現性は絶大だ。iOSやAndroidのタブレットを利用時に感じる「すべての情報を表示していないのでは?」という不安が全く感じられない。
操作の面でもデスクトップではなくアプリのほうで利用すればタッチ操作でも問題なく操作できる。画面のピンチイン、ピンチアウトによる表示の拡縮もアプリのほうの操作であれば非常に大きな表示から小さな表示まで自在だ。
再現性が高い一方でAndroidやiOSのタブレットと異なる点は小画面用のページが表示されないこと。PC用のページの情報量が多いので一覧性は高いのだが、どうしても8型では文字が小さく表示され、いちいちピンチインで拡大してスクロールして見なければならないこともある。そのため、サイトによってはタブレットやスマートフォン向けページのほうが見やすいところもあるだろう。
屋外で使っても実用的
また、屋外で使っているとわかるのだが、画面の輝度設定の上限が非常に明るい。明るくすればそれなりにバッテリー消費は早くなってしまうが、日中の屋外で太陽が照り付けるところでも画面を見やすくすることができる。工場出荷時ではおよそ半分くらいの輝度が設定されているが、室内ではこれでも十分。こんなところからも作り込みがしっかりしたタブレットといえる。
ちなみにバッテリー消費だが、液晶の輝度はおよそ半分くらいに設定、Internet ExplorerとChromeやテキストエディタとBluetoothキーボードとマウス、無線LANを5時間使って残りは20%ほどとなった。もう少し伸びて欲しいところであるが、Bluetoothや無線LANにずっと負荷をかけてしまったことなどにより、バッテリーを早く消費してしまった可能性もある。
念のため申し上げておくと、Windows搭載のパソコンは、特に利用開始時にWindows Updateによる更新などがまとめて発生することから、試用程度では更新作業にCPUパワーを割かれてしまい本領を発揮していない可能性がある。今回は更新作業などは最初に終わらせて状態で使ってみたが、やはり初期のアクセスなどでCPUに負担をかけてしまい、バッテリーも早く消費してしまった可能性もある。筆者の経験から、もう少し馴染んでくるとバッテリー稼働時間ももう少し伸びてくると思われる。
パフォーマンスは必要十分、長く使う場合は上位スペックを
最後にパフォーマンスという点について。使い続けていて実感できるのが、プログラムを多く立ち上げるほど動作が遅くなるということ。Internet ExplorerとChromeのブラウザを別々に起動すると遅くなってくる。ページ表示のための計算がCPUに多大な負荷をかけるせいか表示まで遅くなってくるようだ。
Windowsのリソースメーターを見ると、プリインストールソフトをそのままの状態ではメモリ使用量が上限に張り付いているほか、CPU使用率もアイドル時でも10%以下に下がることはほとんどない。通常のCoreプロセッサーのノートPCではCPU使用率はもっと下がるし、4GBほどメモリーを積んでおけば、最初から上限に張り付くなんてことはないので、あらためてぎりぎりのスペックであることがわかる。
しかし、逆に考えれば無駄なく性能を使い切ってるとも言え、Internet ExplorerでWebサイトを閲覧する上で大きな支障がないことからも、無駄のない性能を持つタブレットともいえよう。
そして、不要なWindowsのプリインストールアプリを削除したりライブタイルをオフにするようにしていき、使い続けていくとだんだんと挙動が変わってくる。アイドル時のCPUの利用率も10%以下に簡単に下がるようになり、メモリーの利用量も下がってくる。そうなるとWebブラウザで開く速度も早まってきてより快適度が高まった。とはいえ、無理にアンインストールを進めなくてよい。デルはもともとプリインストールソフトが少ないため、ロースペックタブレットにはマッチしているからだ。
つまり、メモリーやストレージが少ない場合に、使い方の工夫ができる人こそ、より快適に使いこなるタブレットなのだ。反対に使い方の工夫ができず、アプリを多く開きっぱなしになっていたり、不要なアプリの整理する習慣がついていないエントリーユーザーにはもう少しメインメモリーやストレージの容量の多いモデルを選択したほうがよいだろう。
そして、長期に渡って使うことが想定される場合は、Windowsのアップデートにしたがって機能が追加されて重くなっていくことまで想定すれば、メモリーやストレージは多めのほうが後々安心だ。
低価格なサブマシンに
以上のようにVenue 8 Proを紹介してきたが、期待しすぎてはいけないがいつも持ち歩けるサブマシンとしては十分に使える。しかし、アプリをたくさん使いたい人や、内蔵ソフトウェアをあまりメンテナンスせずに使い続けたいならメモリーが2GBになっているものなどワンランク上のスペックのものをおすすめするというのが結論だ。
特に価格の点でAndroidタブレットを検討している人で、デザイン崩れや互換性の問題を気にせずオフィス文書を扱いたい人、プリント指示まで行いたい人にはこのVenue 8 Proは最適だ。Windowsの扱いに慣れた人なら1GBメモリーという点のハンデも克服できると思われ、コストパフォーマンスの高いタブレットとなるだろう。
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