ミッションクリティカルの高可用性/拡張性「HP ConvergedSystem 900 for SAP HANA」
HPとSAPが共同開発、12TBメモリ搭載の「HANA」統合型システム
2014年10月27日 06時00分更新
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は10月24日、SAP HANAプラットフォーム向け統合型システム「HP ConvergedSystem 900 for SAP HANA(HP CS 900)」の国内販売を開始した。HANAベースでインメモリ化したSAP ERPなどのミッションクリティカルなワークロードを、高い信頼性と拡張性を持つハードウェアで稼働させることができる。
今回発売されたHP CS 900(Scale-up Configuration)は、12TB/16ソケット(240コア)搭載モデルと6TB/8ソケット(120コア)搭載モデルの2モデル。いずれもXeon E7v2搭載サーバー、ストレージ、OS、HANAソフトウェアが事前構成済みのかたちで工場出荷される。参考価格(税抜)はそれぞれ、5億5913万9000円から、2億9515万円から。
同時に、より大規模なデータ分析向け統合型システムとして、データ容量に合わせてメモリを2~96TBまで拡張できるスケールアウト構成の「HP CS 900(Scale-out Configurations)」も販売を開始している。参考価格は7億7721万円から。
HP&SAPの共同プロジェクトから誕生した統合型システム
HPでは今年、サーバービジネスにおいて「ワークロード特化型元年」を宣言しているが(関連記事)、今回のCS 900は「ミッションクリティカル領域」向けに該当する。
日本HP 執行役員の手島主税氏は、近年ではミッションクリティカル領域においても多様なワークロードへの要求があり、CS 900は特に、HANAプラットフォームが実現する「基幹データのリアルタイム処理」を支えるべく開発されたものだと説明した。
同様に、SAPジャパン バイスプレジデントの堀田徹哉氏も、HANAはこの数年間の進化によって、幅広いミッションクリティカルアプリケーションの基盤として利用されるようになったと説明。“SAP ERP on HANA”の導入件数、売上が前年比4倍となるなど、HANAがSAPアプリケーションの標準プラットフォームとなりつつある中で、ハードウェアの担う役割も大きなものになっていると語った。
そもそもCS 900は、2011年に始まったHPとSAPの共同開発プロジェクト「Project Kraken」から誕生したものだ。同プロジェクトは、HP自身がすべての基幹データベースをHANA上に移行することを目標に、プラットフォーム開発のR&Dレベルにおける協業からスタートしている。
CS 900の提供、サポートにおいても両社は協力していく。SAPジャパン本社に共同検証施設を設置し、両社およびパートナーの各種アセスメント、ノウハウの蓄積、ソリューション開発などを行っていく。また、ソフトウェア/OS/ハードウェアのサポート窓口を日本HPに一元化し、顧客にワンストップサポートを提供する。
「CS 900で業界最大規模のスケーラビリティ、可用性、信頼性を提供し、『真のリアルタイムビジネス』を実現していく」(手島氏)