画像処理システムとレンズの良し悪しも重要
画質に有利な要点その2は画像処理システム。撮像素子で得た情報から画像を作り出す重要な部分だ。
画像の生成をはじめ、明暗差の処理やノイズの処理など、さまざまな処理を行なうわけだが、ハイエンドな機種ほど高性能な画像処理システムが搭載される傾向にある。
画質に有利な要点その3はレンズだ。レンズの重要度はかなり高い。画像情報の入り口にあたるので入ってくる情報がよくなくては、どんなにいい撮像素子でデータ化しても、どんなに高性能な画像処理システムで処理しても限界値は低くなってしまう。
画質の良し悪しはレンズを通した最初の光情報がどれだけ多くの情報を持ってくるかにかかっている。なので、レンズ交換が可能な一眼レフやミラーレス機ではレンズを替えるだけで画質が大きく変わってしまう場合がある。
なお、今回は標準キットに含まれるレンズでテストしているので、より高性能なレンズに変えることで結果は変わってくる可能性がある。
デジタル一眼よりコンデジのほうが画質は有利!?
高画質な写真を撮る要素としては、できるだけ大きな撮像素子、高性能な画像処理システム、高性能なレンズとこの3つが重要で、どれか1つだけが飛び抜けて性能が高くても満足な結果は得られない。
理想を言えば、面積が大きく、なおかつ画素数がそれほど多くない撮像素子でレンズと画像処理システムが専用にチューニングされたデジカメがあれば画質には有利になる。
そう考えると、実はコンパクトデジタルカメラのほうが有利な点が多い。撮像素子や画像処理システムに最適化されたレンズが組み込まれており、実際にレンズ交換式デジカメよりも近接撮影画質は高い機種が多い。
また、ソニーのフルサイズセンサー搭載機「DSC-RX1」や、シグマのAPS-Cセンサー搭載機「DP」シリーズなど、画質において高く評価される機種はレンズが固定されているのもうなずける。
そこで、今回はフルサイズ素子と専用に設計されたレンズの組み合わせはどれくらいのものなのかを確認できるように、(新製品という訳ではないが)ソニーの「DSC-RX1R」でも一緒に撮り比べてみた。
DSC-RX1Rは2013年7月に発売されたフルサイズセンサー搭載の高級コンパクトで、DSC-RX1のローパスフィルターレスモデルである。約2430万画素のCMOSセンサーに35mm単焦点の「カールツァイス ゾナーT*」レンズを搭載している。現在の実売価格は24万5000円前後だ。
(次ページに続く「遠景&中~近距離でRX1Rと撮り比べてみた」)
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