「インメモリで●倍速い!」だけじゃない機能強化について中の人に聞いた
もうすぐ登場!「SQL Server 2014」の進化ポイントをチラ見せ
2014年03月19日 11時00分更新
「Power BI for Office 365」の発表時に、関連製品として“2014年上半期リリース”とアナウンスされた「SQL Server 2014」。どうやらもうすぐリリースされるらしい。そこでSQL Server 2014における製品コンセプトの進化、機能強化ポイントなどを、日本マイクロソフト アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 北川剛氏に聞いた。
※追記:米国マイクロソフトは3月18日付(現地時間)の公式ブログで、米国ではSQL Server 2014を4月1日から提供開始することを発表した(日本での提供開始スケジュールは未発表)。
新機能追加でも「価格とエディション構成は変わらず」
まずはSQL Server 2014の価格などを確認しておこう。
正式発表はまだだが、北川氏によると、価格やエディション構成は現行の「SQL Server 2012」と変わらない。後述する新機能、たとえばインメモリデータベース(DB)機能なども、すべて「追加費用なしで使える」とのこと。
SQL Server 2012の発売に際して、マイクロソフトは、それまで複雑だったエディション構成やライセンス体系をシンプルなものへと改定した(関連記事)。エディションは3つに絞られ、ライセンスは基本的に「プロセッサコア単位」となっている。
各エディションが備える機能など詳細な情報は正式発表を待ってほしいが、ひとまずは導入を検討しやすいシンプルなかたちが維持されると考えておいてよい。
SQL Server 2014の“進化ポイント”は大きく3つ
SQL Serverは2005、2008、2008 R2、2012とバージョンを重ねるごとに、エンタープライズDBとして着実な進化を遂げてきた。これは「顧客が求めるものを段階的に追加してきた結果」だと北川氏は説明する。
それでは、SQL Server 2014ではどのような顧客の声が反映され、進化を遂げているのか。北川氏は、2014における進化ポイントとして次の3点を挙げた。
まず1つめは、高速なパフォーマンスとミッションクリティカル性(可用性)の両立だ。インメモリDB化で単にパフォーマンスを上げるだけではダメで、高速性と可用性を「両立」させることこそが重要だと、北川氏は強調する。
「現在ではオンラインでビジネスをする顧客が増えており、DBのパフォーマンスだけでなくミッションクリティカル性も企業収益に直結している。NoSQLではなく使い慣れたSQLで、高速かつ安全にデータ操作できるようにしたいと考えた」(北川氏)
インメモリDBエンジンや高可用性については、のちほどもう少し詳しく紹介したい。
進化ポイントの2つめは、“(誰もが)使い慣れたツール”ことExcelを活用したビッグデータ分析の支援である。PowerBIの発表時(関連記事)にも強調されていたが、マイクロソフトではExcelを通じて誰もがビッグデータを容易に扱えるような「ビッグデータの民主化」環境の実現をビジョンに掲げている。
SQL Server 2014では、Excelの「PowerPivot」アドオンで作成したデータモデル(BISM:BI Semantic Model)をそのまま展開できる。これにより「クライアント側でモデル化したデータをDBサーバー側へデプロイすることで、ユーザーはサーバーの豊富なリソース(メモリ容量など)を使って、Excel経由で自由に分析し、より多くのユーザーで共有できる」(北川氏)。
そして最後が、ハイブリッドクラウド環境における利用をより強化した点だ。マイクロソフトが掲げる「クラウドOSビジョン」を推進するためには、SQL Serverがオンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドのいずれの環境でも同じように使え、かつ各環境間の行き来も容易でなければならない。
これについては、細かな機能拡張によってパブリッククラウドのWindows Azureとの連携をより簡単にした、と北川氏は説明する。Azure上でウィザードを使ってSQL Serverをデプロイできるだけでなく、たとえばオンプレミスサーバーからクラウドへの定期的なバックアップ(スナップショット)も、ウィザードにより自動化することができる。
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