日産自動車は、さまざまな走行環境においてドライバーにクリアな後方視界を提供する液晶モニタとルームミラーとを任意に切り替えることを世界で初めて可能にした「スマート・ルームミラー」を開発したと発表した。
スマート・ルームミラーは、後方の交通状況を確認する新開発の高性能狭角カメラと、ルームミラーに内蔵した新開発の特殊形状液晶モニタによって構成される。リアウインドウに設置された高解像度カメラによる鮮明な画像を液晶モニタに映し出すことによって、ピラーなどで遮られることのない従来よりも広くクリアな後方視野をドライバーに提供し、逆光状態でも自動的に補正する。
後方映像を撮影するカメラは新開発の130万画素の高性能狭角カメラ、一般的な広角カメラでは広い範囲を映し出すことができる反面、距離感を掴むのが難しくなることから、撮影画像を高画質かつ正しい距離感で映すことを可能としている。また、新開発の液晶モニタはアスペクト比約4:1という横長の形状とし、ルームミラー全面に映し出すことを可能としている。とくに液晶モニタとミラーを重ねた場合、後方からの光がミラー反射とモニタ透過によって2重像現象を発生させるが、スマート・ルームミラーでは内部構造を工夫することで世界で初めて2重像現象を発生させることなく液晶モニタと通常のミラーとの切り替えを可能としているという。
同社では、スマート・ルームミラーを今年のル・マン24時間耐久レースへ出場予定のZEOD RCやNISMOが開発するその他のレーシングカーにも採用、2015年から市販車に搭載してゆく予定という。
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