みちびきをフル活用して種子島中を巡る!
まずはARを駆使して登場キャラを探す旅in種子島において、どのようにデジタルスタンプラリーをするのか紹介していきたい。スタンプの場所は、準天頂衛星初号機(GPS衛星)みちびきが観測した位置情報データを基に探す。みちびきが観測した位置情報は一度、みちびき受信機と呼ばれるペンダント型の機器に送られる。みちびき受信機はBluetoothに対応していて、ペアリングしたスマホに情報が送られる仕組みだ。
また、みちびき受信機はもうひとつのデータを取得する。それはIMESと呼ばれる屋内GPS情報送信機だ。IMESは屋内や地下街の位置情報を測り、データを送信する。現在のGPSは、屋内だと建物による遮蔽により信号が受信されず、位置情報の測位ができない。これを屋内でも正確に計測できるよう開発されたのがIMESで、日本でしか開発されていない最先端の技術だ。今回のツアーでは、JAXA施設や博物館などを利用し、この最新技術を体験できる。また、みちびきとIMESからの情報を利用すれば、島の屋内外でシームレスに位置情報が取得可能となる。
取得した位置情報は「ふらっと案内」というスマホアプリ内の地図に反映され、その情報を基にスタンプを探していく(ふらっと案内はiOSアプリ、Androidアプリ共に提供されている)。スタンプの場所に近づくと、スタンプの獲得画面に表示が切り替わり、スタンプゲット。
場所によってはARを利用した撮影箇所があり、アプリのAR機能を起動すると目の前にROBOTICS;NOTESの登場キャラが現れる。これはぜひとも撮影しておきたい。というのも、今回のツアーのために3Dポリゴンで作られたキャラが表示されるからだ。
身長や体型もかなり精細に作り込まれており、一緒に記念撮影をすればまるでゲームの世界に自分が入り込んだような写真になるはずだ。さらに、ARイメージを表示するために位置情報として、これまたみちびきの情報を利用している。既存のGPS情報、2Dで表示されるARとは別物に感じられるはずだ。
とまあ、日本の最先端技術盛り盛りなラリーなのだが、「ラリーって次どこに行ったらいいかわからなくなるよね……」という不安を抱えている人もいるはず。安心してほしい。次にどこに行けばいいかはみちびきが教えてくれるから。みちびきの補強技術のひとつとして「メッセージ送信機能」がある。この機能を利用して参加者に、「次は北へ向かえ」などの指令をSMSで送ってくれるのだ。
みちびきの高精度測位サービス実用化に向けた実証実験
そもそもなぜ聖地巡礼ツアーにこれほどの技術を使うのだろうか。実はこのARを駆使して登場キャラを探す旅in種子島は、みちびきを社会生活に導入できることを示す実証実験でもあるのだ。
みちびきは、日本の天頂(ほぼ真上)を通る軌道を持つ人工衛星を複数基組み合わせた準天頂衛星システムの初号機。今後2017年から2019年までに衛星3基の打ち上げが予定されており、みちびき含む4基で準天頂衛星システムとなる。そしてみちびきをはじめとした衛星システムのすごいところは位置測位の正確さにある。
どれくらい正確かというと、現在一般的に利用しているGPSの位置情報精度は10m以上と言われているが、その精度をはるかに上回る誤差1m前後以内とのこと。
このGPS精度をさらに向上させる、また、受信側であるみちびき受信機の反応スピード向上、さらには屋内の位置測位精度を上げる。ひいては、みちびきを体験、評価して、産業にも使えると実証するのが今回のツアーの別テーマでもある。そして、この実証実験は経済産業省の平成25年度「準天頂衛星システム利用実証事業」のひとつであり、主体は一般財団法人 衛星測位利用推進センターとソフトバンクテレコムとなっている。
簡単に言ってしまうと、超高性能なGPSをレビューしつつ、スタンプリーを楽しめるということだ。こんな機会は滅多にない。さらに、島全体を使うような大規模な実証実験は初ということで、記念にもなるだろう。
ツアーに参加するとうれしい特色も!
今回のツアーはスタンプラリーのほかに、普段体験できないようなイベントも用意されている。
JAXA準天頂衛星システム関係者による特別講演や、複数用意されたスタンプラリーには、クリア数に合わせた賞品がある。また、参加者の中から先着300名限定で、ツアーでしか配られないJAXA&ROBOTICS;NOTESコラボグッズがもらえる。さらに、今回は実証実験という側面もあり、衛星測位利用推進センターから実験協力金としてひとり2万円が支給されるのだ(こちらも先着300名に限る)。
こんなスペシャルな企画はそう多くはない。興味があるならいち早く応募するといいだろう。