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T教授の「戦略的衝動買い」 第217回

清水の舞台から飛び降りて買ったメカ腕時計「Tread 1」

2012年11月07日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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4枚のベルトの動きで時刻を表現

この角度から見ると、いかにDevon Works Tread 1が、最近の国産腕時計に多い見せかけの立体デザインとは違う、真に立体的な構造の腕時計かを目で感じて理解できる

 Tread 1は国内外で発売されている、昨今人気の「ビッグサイズ」と呼ばれる大型の腕時計と比べても、まったく引けをとらないド迫力の腕時計だ。サイズは実測で幅53mm、高さ47mm(リューズ状のツマミを含めず)、厚さは20mm近い。

 Tread 1はクォーツ制御のマイクロプロセッサーにより駆動される4つのステッピング・モーターが、表面をガラス素材で強化された薄さ0.05mmのナイロン製「タイム・ベルト」を適時回転させて、現在時刻を表示させる仕組みだ。現在時刻は、腕時計中央の金属フレームの3つの窓の中に表示される。

中央を左右に横断する幅広の「時間ベルト」。その上を約60度の交差角度でスライド動作する2本の「分ベルト」。「分ベルト」の上を、右から左に通過する位置関係で配置されたもっとも幅の細い「秒ベルト」。3層になったベルトが絡み合うことなく整然と時間を刻む

 タイムベルトは、駆動モーターと同じく4本。時間を表示する「時間ベルト」、分を表示するための1桁目の「分ベルト・下位」と2桁目を表示するもうひとつの「分ベルト・上位」。そして休むことなく1秒に1回、秒を刻む「秒ベルト」の4本だ。

 一番幅の広い時間ベルトは、Tread 1の中央を右から左に横切り、1時間に1コマだけ移動して時刻を刻んでいる。そのすぐすぐ下に位置する一番細い秒ベルトも、同じく右から左に1秒で1コマ回転し、移動して秒を刻む。秒を表示するベルトを回転させるためのステッピングモーターと歯車の音は、周囲が静かだとかなりの動作音で、Tread 1の存在感を周囲にアピールしてくれる存在だ。

超正確な動作をするステッピングモーターは全部で4基。モーターに直結する歯車も4個

右側の大きなリューズのようなツマミは、設定操作を行なうジョグダイヤル的な操作ツマミ

「DEVON」と書かれた薄い金属フレームの窓に、位置誤差ゼロで数字を表示させることで現在時刻を表示する。撮影時の時間は9時29分57秒だ

実測で厚さ19mmの堂々としたTread 1。DEVONロゴの付いた大きなツマミは、左右にねじってホールドといった操作をするツマミなので、大きくつまみやすい形状になっている

 秒ベルトが60秒の位置に到達すると、約60度の角度で交差している2本の分ベルトのうち、下位の分ベルトが上から下に1コマ動き、分のカウントをアップする。Tread 1の極めて立体的な構造を眺めていて、一番感動的なのは、時間が大きく変わる時のメカとベルトの動きだ。これは一度見てしまうと病みつきになり、どうしても人に見せたくなってしまう。これだけ複雑なメカを実現しているにも関わらず驚異的なことは、Tread 1には一切の注油の必要性がないことだ。そして筆者の電波腕時計と比べても、今のところ日差は1秒以内だ。

思わず魅了されるTread 1の動きを動画で

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