ソフトバンクは1日、都内にて記者会見を開き、イー・アクセスと経営統合を行ない、年内に向けて完全子会社化すると発表した。
イー・アクセスとの経営統合により、携帯電話の契約者数3位のソフトバンクモバイルと同4位のイー・モバイルが統合されることで、auを抜いて業界2位の契約者数となる。
経営統合は株式交換方式で行なわれ、その評価額は3651億円、イー・アクセス株1株あたり5万2000円となる。ちなみにこの価格はイー・アクセスの株価に対して3.5倍だ。この評価額についてソフトバンク代表取締役社長の孫 正義氏は、「イー・アクセスの価値はさらにその約2倍(7220億円)ある」と説明した。
設備投資額やユーザー獲得コストで3600億円分の価値があるが、それと同等なぐらいの価値があるものが「ソフトバンクへのシナジー」だという。
統合の決定打は「iPhone 5」
テザリング時期の前倒しも発表
そのメインにあるのが「iPhone 5」。「iPhone 5がこの経営統合に影響を与えたのか?」という質問に孫社長は「YES」と明確に答えた。
経営統合の引き金はiPhone 5での「テザリング」。テザリングができる“構え”を作るためにはイー・アクセスと提携する必要があったと語った。「前回の発表会では(テザリングは)やりたくないけどやらざるをえない」という気持ちだったという孫社長。テザリングを実現するために、ソフトバンクはネットワークのキャパシティーに不安を感じていたという。
しかし、今回イー・アクセスとの経営統合が決まったことで「今回は少なくともそれだけの構えができた」とし、さらに来年に予定していたテザリング開始時期を年内(12月15日)に前倒しすることも発表した。