今年もスマートフォン市場は順調に成長した。2011年第3四半期は前年同期比42%の増加となり、携帯電話市場全体の増加率である同5.6%を大きく上回っている。2011年最後となる今回は、2012年に向けたスマートフォンの動向として、OSとメーカー、アプリケーションから注目のポイントを集めた。
Androidの躍進つづくか?
中国メーカーの動きにも注目
まず、OSという面では今年もAndroidの年となった。Android優勢が決定的になったのが2009~2010年とすれば、2011年はトップの座を固めた年といえる。Androidは2010年第4四半期にSymbianを抑えてシェアトップとなり、2011年第3四半期には前年同期比194%増と驚異的なペースで成長した。
スマートフォンは成長市場だが、Androidはまさにその波に乗っているといえる。GoogleでAndroid開発を率いるAndy Rubin氏は12月20日に、毎日70万台のAndroid端末がアクティベーションされていると報告した。
端末にどのOSを利用するかでベンダーのシェアは変わっており、Androidを担ぐメーカーは軒並みシェアを伸ばしている。Samsungは実はHTCやSony Ericssonと比べるとAndroid搭載機の投入が遅れたメーカーだが、ブランド力と流通網をテコに大成功しており、IDCのスマートフォン市場調査では2011年第3四半期にAppleを抑えてついに首位となった。
だが、Androidを採用したスマートフォンを製作すればよいというフェイズは終わりつつあるようだ。端末の見分けがつけにくいという指摘がではじめたHTC、「Xperia PLAY」など差別化を図ったが業績にかげりがみえつつあるSony Ericssonなど、一部のAndroidベンダーは曲がり角に差しかかったようにも見える。
一方で中国でのスマホブームにより中国ベンダーが軒並み勢いを増している。ZTEやHuaweiなどは今後北米や欧州などの成長市場での展開を強化する計画だが、2012年はこれら中国ベンダーがシェア争いにどのぐらい影響を与えるのかも注目だ。
2011年はメーカーの統合も進んでおり、2012年にはGoogleによるMotorola Mobilityの買収が完了すると予想され、Sony Ericssonはソニーの元でスタートを切ることになる。
Androidの問題は訴訟とともに、分断化(さまざまなバージョンが出回りアプリケーションの互換性が損なわれる可能性がある)などいくつかある。また、スマホでの成功神話をタブレットでも再現できるかも1つの課題といえる。
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