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狙うはプロ級!? ニコン「D300S」で撮影スキルを鍛え直す 第7回

標準レンズでポートレイト撮影

2010年06月03日 12時00分更新

文● 小林 伸、撮影協力●クラーク記念高校秋葉原ITキャンパス

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D300Sに合うポートレイトで使えるレンズは?

Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IFをD300Sに装着。しかし中望遠というよりは望遠レンズ

Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IFをD300Sに装着。しかし中望遠というよりは望遠レンズ

 D300SはDXフォーマット(APS-Cサイズ)の撮像素子を搭載している。他のメーカーのデジタル一眼レフも現状まだAPS-Cサイズの撮像素子を搭載したものが一般的である。

 そうなると35mmフィルムカメラの85mmは、APS-Cのデジタル一眼レフでは実質127.5mm(各社で多少の違いがあるが130mm近辺)の画角を持つことになり、中望遠というよりも、もう望遠レンズの範疇になってしまう。

 そして35mmフィルムの頃に標準だった50mmレンズは、75mm程度の中望遠レンズとして活躍する機会が増えてきている。50mmレンズの画角と同等のAPS-C時代のレンズはというと、35mm近辺の焦点距離を持ったレンズになるだろう。

 以前からあるニコンのレンズラインナップでいくと「Ai AF Nikkor 35mm f/2D」(Ai AF35mm、実売3万5000円前後)がこれにあたるが、このレンズ自体、フィルムカメラの全盛期だった15年以前に発売開始されたものである。

「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」

「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」

 そうなると必然的に時代にマッチしたレンズが欲しくなる。思い浮ぶのは「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」(AF-S 35mm、実売2万7000円前後)だろう。このレンズであればDXフォーマット(APS-Cサイズ)で使用した場合も52.5mmレンズに相当する画角になるので、現代のデジタル一眼レフにあった標準レンズと言える。

 しかも開放値が1/3段明るくなっているので、背景のボケ方ももう少し期待できる。Ai AF35mmではボディからのピンによるAF駆動だったが、AF-S 35mmではレンズに内蔵された「SWM」(超音波モーター)によるAF駆動となっており、静かでかつ高速なAFも期待できる。

 さらに絞り羽根の枚数こそ7枚と同様であるが、AF-S 35mmは円形絞りを採用しているため絞ったときの背景のボケ方もきれい。このあたりもポートレイト撮影に向いている。

左がAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gで、右がAi AF Nikkor 35mm f/2Dで撮影した写真。撮影データを揃えるためにAF-S 35mmもF2で撮影している。どちらのレンズも開放から十分なコントラストとシャープさをもっている

人物の大きさを35mmで撮影したものと同程度にした「Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF」のサンプル。絞りもF2でそろえて撮影した。35mmで撮影したものと比較して背景の入り方は少ないので整理しやすくなるだろう。同じ絞りで撮影しても望遠である85mmではボケ方は多くなる

人物の大きさを35mmで撮影したものと同程度にしたAi AF Nikkor 85mm f/1.4D IFの撮影サンプル。絞りもF2でそろえて撮影した。35mmで撮影したものと比較して背景の入り方は少ないので整理しやすくなるだろう。同じ絞りで撮影しても望遠である85mmではボケ方は多くなる

 重量に関しては5群6枚のレンズ構成から6群8枚(非球面レンズ1枚)と増えており、さらにSWMを内蔵しているにも関わらず約205g(Ai AF35mm)から約200gへと軽量化されているのもうれしい。

 Gタイプレンズのため絞りリングが廃止されており、昔のフィルムカメラでは使用できないがデジタルカメラ専用としても持っておきたいレンズである。

 単焦点レンズはズームレンズと違い、光学設計的に無理をしないで済む。その分、素直な描写やボケ味が期待できるので標準ズームレンズではなくポートレイト専用のつもりでこの標準レンズは持っていたい。

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