「Office 2007」の発売から約3年半を経て、最新版となる「Office 2010」が登場する。すでに5月1日からボリュームライセンス製品が提供されており、パッケージ製品やパソコンへのプリインストール製品も、6月17日に発売される。
本特集では主に個人ユーザーを対象として、Office 2010のラインナップから新機能の解説と検証、さらに注目されるウェブ版Office 2010でできることなどを解説したい。まず特集第1回では、Office 2010のラインナップと、おもな変更点をまとめてみた。
Office 2010パッケージ製品のラインナップは5種類
売れ筋はPowerPoint付きの「Home and Business」か
Office 2010のラインナップには、統合パッケージ製品とプリインストール製品、ボリュームライセンス製品、そして単体パッケージ製品の4種類がある。それぞれの製品について、エディションや価格をまとめた。
統合パッケージ・プリインストール製品
パッケージ製品として販売されるほか、パソコンにプリインストールされて提供されるのは以下の4エディションである。
パッケージ/プリインストール製品ともに、含まれるアプリケーション構成はOffice 2007と大きな変更はない。Office 2007の「Standard」にあたるエディションが、Office 2010では「Home and Business」と名称変更されている。また、「Professional」には「OneNote」が追加されている。
そして、Office 2007にあった「全部入り」の「Ultimate」は外れているため、最上位の統合製品は「Professional」ということとなる。
なお、Personalには「2年間ライセンス版」があるが、パッケージ販売はされず、ネットブック向けのプリインストール版のみが提供される。また、2年間ライセンスを永続ライセンスに変更できる「永続ライセンス変換パッケージ」も提供される。
統合パッケージ製品とプリインストール製品のそれぞれの構成と参考価格(価格はオープンプライス)は以下のとおり。「Office Professional Academic 2010」(通常版価格 2万8381円)に含まれるアプリケーションは、「Office Professional 2010」と同等である。
Professional | Home and Business | Personal | Personal 2年間ライセンス版 | |
---|---|---|---|---|
Word 2010 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Excel 2010 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Outlook 2010 | ○ | ○ | ○ | ○ |
PowerPoint 2010 | ○ | ○ | - | - |
OneNote 2010 | ○ | ○ | - | - |
Access 2010 | ○ | - | - | - |
Publisher 2010 | ○ | - | - | - |
通常版 価格 | 5万9800円 | 3万4800円 | 2万9800円 | - |
アップグレード優待版 価格 | 3万7800円 | 2万5000円 | 1万5800円 | 1万800円※1 |
※1 永続ライセンス変換パッケージの価格。
それぞれの価格は、Office 2007と比較して約3割程度安く設定されている。アプリケーション構成的には、最小構成で最低価格の「Personal」にPowerPointが追加された「Home and Business」が、パッケージ/プリインストールともに主力製品となりそうだ。
Professionalは「Access 2010」とPublisherを必要とするユーザーに向けた製品であり、コンシューマー向けのパソコンにプリインストールされることはまずないだろう。
Office 2010には32bit版と64bit版がある
各パッケージ製品(アプリケーション単体の製品も含む)のDVDには、32bit版と64bit版が両プログラムが収録されている。そして、インストール時に通常の手順を踏むと、自動的に32bit版がインストールされる仕様となっている。64bit版をインストールする場合は、自動起動せずにDVDを開き、「x64」フォルダーからインストールを開始する必要がある。
Office 2010では32bit版と64bit版が同梱されてはいるものの、マイクロソフトとしては32bit版を推奨していると言える。実際にマイクロソフトは開発者向けブログ「Microsoft Office 2010 Engineering」にて、「現時点では32bit版を推奨する」という旨の発言をしている。
また、アップグレードインストールにも関連することだが、64bit OS環境に旧Office(32bit版)がインストールされている状態で、64bit版をアップグレードインストールしようとすると、インストール前に旧Officeをアンインストールするよう促される。
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