前回の連載記事では中国最大、たぶん世界最大の電子パーツ街の広東省深セン(センは土へんに川)のカオスっぷりを紹介した。
行くのはもちろん、そのレポートの雰囲気だけでも充分に飲まれてしまうかもしれないが、冷静になると、その値段が気になるはず。ただ市場は小さな店が数えられないほど集まり、しかも冷やかしがしづらい雰囲気だから、製品の最安値はおろか平均価格も現場で知ることは難しい。そこで今回の記事では、PCパーツやノンブランド製品こと「山寨機」の値段をネットでチェックしてみた。
本記事での日本の価格は「ASCII.jp価格比較」(関連サイト1)を引用する。中国の価格は中国最大の個人対個人取引(C2C、日本でいえばヤフーオークション)のオンラインショッピングサイト「淘宝網」(関連サイト2)と、淘宝網の系列サイトで日本にも進出する企業対企業取引(B2B)のオンラインショッピングサイト「阿里巴巴」(関連サイト3)の結果を紹介する。
まずはネットブック。ASCII.jp価格比較でネットブックを検索すると、最安値はHPの「HP Mini 2140」とKOUZIROの「FRNU1301/M」が2万9800円で並ぶ。いずれも「Windows XP Home Edition」がプリインストールされていているので、かなりお買い得だ。またネットブックを作るためのAtomマザーを検索すると、Atom N230(1.60GHz)を載せたGIGABYTEの「GA-GC230D」が6480円、同じくAtom N230を載せたIntelの純正マザーボード2モデルが7000円を切る価格でそれに続く。
では中国ではどうか。1個の購入から可能な淘宝網では、ASUSTeKの「EeePC 700」が最安値で1350元(約1万7550円。1元=13円で計算)となっている。続くメジャーメーカーのネットブックでは、HPの「HP 2133」が1600元(約2万800円)となっている。いずれもOSがつかない中国仕様(だが納品時には店のサービスとして海賊版のOSがついている可能性アリ)とはいえ、それでも円高ベースな今だからなおさらのこと、安く感じる。
驚くべきは大口注文がメインの阿里巴巴で、「HP mini 110」が220元(約2860円!)、「EeePC 2G Surf」が300元(約3900円!)という価格で販売されている。1万円を切るどころか5000円をも割り込んでいるわけで、ニセモノじゃないかと疑いたくなるが、Eee PC 2G Surfについては多くの出品者が300元台で売っていることもあり、本当にその価格で購入できるのは間違いない。
ではAtom搭載マザーはどうか。淘宝網での最安値は210元(約2730円)、続いて密かにマザーボードもリリースするレノボのが200元台で販売されており、阿里巴巴では最安値が116元(約1500円)、続いてレノボのマザーが146元(約1900円)で発売されている。CPUがオンボードのマザーボードが2000円を切るとは、恐るべしである。
ちなみに阿里巴巴は日本語サイト(関連サイト4)もあるが、Atomで検索しても残念ながら検索結果も少ないし、肝心の価格も「要問い合わせ」だった。どうしてもチャイナプライスで入手したいならば、中国語の阿里巴巴での価格をチェックしてから値引き交渉すべきだろう。
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