「世界初のプロジェクター内蔵デジタルカメラ」というユニークすぎる製品が、ニコンの「COOLPIX S1000pj」(実売価格5万円前後)だ。本体内に超小型プロジェクターを内蔵、撮った画像を40型スクリーン相当(2mまで離した場合)まで投影できる。
ボディの左上に電動カバーを備えたレンズがあり、さらに中央にプロジェクターのレンズを配置する。プロジェクターレンズはレンズカバーを備えてはいないが、撮影用レンズと違って多少のキズでもそれほど画質に影響するものでもないということだろう。
投影用レンズを覗き込むと光軸を曲げるプリズムが確認でき、本体内部は左側に撮影用屈曲光学系ズームレンズ、中央にプロジェクター、右側が電源(電池室は右側にある)および基板部が並んでいるようだ。
カメラ自体の性能は1/2.3インチ1210万画素CCD、屈曲光学系5倍ズームレンズ、レンズシフト式の光学式手ぶれ補正、液晶は2.7型と大きめなどなど、コンパクトデジカメとして十分なスペックを備える。
さらに本機および同時発表の「COOLPIX S70」ではレンズの広角側が35mm換算で28mm相当と、同社従来の屈曲光学系レンズ(COOLPIX S60では33mm)よりも広角側に強くなっており、風景からスナップまでこれ1台という人にとってはありがたい。
撮影機能は「ベストフェイス」(美肌効果をさらに進めてシワ取りも含めた顔検出&レタッチ)や「ターゲット追尾」(画像検出により被写体を追尾)など、最新機能を装備するものの、操作系自体はとくに変わった点はない。操作ボタンも少なく、クイックメニューも用意されておらず、方向キー兼用の4つの機能以外はすべてメインメニュー内で設定する。とはいえ設定できる項目が比較的多い「オートモード」でも、項目がほぼメニュー1画面に収まり、他のモードでは画素数を設定する程度なので、操作にはとくに問題はない。