意外と少ない12型ワイド液晶搭載ノート
携帯性が高いネットブックでは、10.1型クラスのワイド液晶ディスプレーを搭載した機種が主流である。一方、グラフィックス機能を強化してエンターティメント性を重視した製品といえば、おおむね15型以上の液晶ディスプレーを搭載する製品となり、多くは持ち歩きを意識していない。ビジネスモバイルノートでは、手軽に持ち運べるサイズと質量、それでいて使い勝手もいいマシンがあるのだが、今度は気楽に買える価格ではない……ということで、コンシューマー向けの中庸なノートパソコンを、いつの頃からか見かけなくなってしまった。
そんな中、登場したのが日本ヒューレット・パッカード(株)の「HP Pavilion Notebook dv2」(2009 夏モデル)である。製品コンセプトは「カジュアル・エンターティンメント」。気軽に持ち歩ける薄型コンパクトなデザインと、映画や動画など最新の高精細コンテンツを美しく再現するパフォーマンスを融合させたという。
dv2は、表示解像度1280×800ドットの12.1型ワイド光沢液晶ディスプレーを搭載するノートパソコンだ。日本HPのパーソナル向けノート製品に含まれ、同カテゴリーの上位モデルには、17型ワイド液晶の「dv7」や、16型ワイド液晶の「dv6」がある。さらに小型の製品では、ネットブックの「HP Mini 1000」がある。
同クラスでは比較的高額なノートが多い中、ネットブックとの差異を小さくしたのがdv2の特徴と言える。ようするに、安いのである。直販サイトで扱われているブラックカラーの「kirameki」は7万3500円から、量販店で販売されるホワイトカラーの「asagiri」では、スペックもやや低いので6万円前後という、ネットブック並みの実売価格となっている。なお今回は、直販モデルを評価した。
Atomベースのネットブックと、Core 2 Duo採用のモバイルノートのギャップを埋める価格を実現できたのは、やはり、その隙間を狙ってリリースされたAMDの「Yukon」プラットフォームを採用したからであろう。dv2のCPUは、Athlon Neo MV-40(1.6GHz)、チップセットはAMD M690Gである。グラフィックスはチップセット内蔵ではなく、ATI Mobility Radeon HD 3410を採用。HDMIポートも装備する(量販店モデルは、チップセット内蔵のATI Radeon X1250となり、HDMIポートもない)。
渋さの中にもこだわりを持つ「ZEN-design」
dv2を手にしたとき、その重さに少し驚いた。A4ジャストサイズ、あるいはB5ファイルサイズのスリムノートなのに、重さは約1.79kg。外装に高級感があることもあって、片手で持つとずしりと感じる。それもそのはず、ボディにはマグネシウム合金を採用しており、金属独特の冷たさと剛性があるからだろう。プラスチックボディのネットブックとは一線を画すものだ。
両側面にコネクターおよびスイッチ類を配し、前面にはインジケータランプ、背側はバッテリーのみとなっている。バッテリーは標準で6セルのリチウムイオンバッテリーとなり大きめだが、手で持つときにグリップとして機能するため安定する。
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