広告文のチューニングでパフォーマンスを改善
これまではキーワード別のパフォーマンスを評価することで、その背後にあるユーザーのニーズが商品購入に結び付きやすいものかどうかを判断し、取捨選択を行ってきました。しかし、同じキーワードでも広告文の内容やランディングページ、サイト構造によって、成約のしやすさが大きく異なり、本来はこれらの要素をすべて最適化してからパフォーマンスの限界を判断する必要があります。そのためある程度明確に効果がないことが分かっているキーワード以外は広告文のチューニングを行って本当の限界を見定める必要があります。
事例1:“遮光カーテン”に対する広告文
前回のコラムで、“遮光カーテン”と検索するユーザーの中にもより細かくみると、いろんなニーズに分かれているのではないか?と考えました。
ユーザーモデルの例
A.機能を追及し、遮光性が高ければ高いほど喜び、価格を問わない人。
B.最低限の遮光性があれば十分。その中で最も安いものを求めている人。
Aのタイプの検索者が多いようであれば広告文は“高機能”“ハイグレード”など、高い機能を伝えることが重要でしょう。Bのタイプの検索者が多いようであれば“格安遮光カーテン”や“5000円から購入可能”など、価格を訴求することで安さが伝わります。
そこで、まずはこれまでの広告文をBのタイプのターゲットにより最適化してみました。
【旧広告文】
お買い得!遮光カーテンが品揃豊富
遮光カーテンで快適生活を!オーダーサイズ即日出荷可能
【新広告文】
1級遮光カーテン2900円から
遮光カーテンを激安価格で!オーダーサイズ即日出荷可能
それぞれの出稿結果を比較してみます。
上の行が旧広告文、下の行が新広告文の広告結果です。
旧広告文では“遮光カーテン”という検索に対するCPAが1983円でしたが、新広告文では3336円になっており、パフォーマンスは悪化しています。この結果から、おそらく検索者はBのような安い物を探しているというよりもAタイプのような機能性を重視しているほうが多いのではないか?と予想できます。そこで、Aタイプの検索者に向けてたとえば下記のような広告文を提案できます。
【新広告文2】
高機能一級遮光カーテン
防炎、防音性能も付加されてマルチユース可能!
(この広告文についてのパフォーマンスは検証中です。)
これらの結果から、下記のようなユーザータイプの分類と評価ができます。
さらにユーザーを掘り下げて細分化していくことも可能ですが、検索ボリュームなどから費用対効果を追及するならこのレベルまでが妥当でしょう。
事例2:“レースカーテン”に対する広告文
“レースカーテン”というキーワードはインプレッション数、クリック数が多い割にコンバージョンにつながっていないことに気が付きました。せっかくボリュームのあるキーワードなので、成果に結び付けたいと思い、詳細に検討してみました。事例1と同じようにまずは検索ユーザーのニーズに対する仮説を掘り下げます。
A.紫外線カットに興味を持ち、レースカーテン以外でも検討可能な方
B.紫外線カットが目的だが、明確にレースカーテンをイメージしている方
最初はAタイプの検索ユーザーを対象として、商品よりも機能を掘り下げた広告文を作成していました。
【旧広告文】
紫外線カットカーテンが品揃豊富
レースカーテン、ミラーカーテンで紫外線カット!オーダーサイズ可能
新しい広告文では機能以上に検索キーワードである商品を明確にした広告文としました。
【新広告文】
レースカーテンで紫外線カット!
カーテンでプライバシーを守り紫外線もカット!オーダーサイズ可能
広告結果は下記のとおりです。
新しい広告の方がクリック率が高まり、コンバージョンも達成し、やはり“レースカーテン”というキーワードで検索している方は“レースカーテン”そのものを求めている割合が高いということが予想されます。
今回の検索ユーザーのモデルは下記のような包含関係にあると考えています。
このように、検索連動型広告ではSERPsで見込み客に見せる広告文のコントロールが容易であるため、手軽にテストマーケティングが可能で、その反応からユーザーのモデル化が可能です。これをさらにSEOのユーザーモデルとして活用していくことができるわけです。
著者プロフィール
名前 | 権 成俊(ごん なるとし、左)、李 泰成(り やすなり、右) | info[アットマーク]gonweb.co.jp |
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