アドビ システムズ(株)は24日、2004年12月に発表されたPDF作成ソフト『Adobe Acrobat 7.0 Professional 日本語版』に3D CADデータの埋め込み、および3Dプレビューや計測、注釈などの機能を追加した建設や設計/機械業界向けバージョン『Adobe Acrobat 3D』を2月中旬に発売すると発表した。同社直販サイト“アドビストア”での販売価格は通常版が13万5870円、Acrobat 7.0 Professionalを対象とするアップブレード版は7万4445円、Acrobat 6.0 Professionalが対象のアップグレード版は9万5445円。同時にアドビストアでのダウンロード販売も開始される。また、3Dデータ付きPDFの表示に対応する無償のPDFビューアーソフト『Adobe Reader 7.0.7』も2月中旬に提供開始される。
『Adobe Acrobat 3D』のパッケージ |
Adobe Acrobat 3Dは、3D CADソフトで作成した3Dモデルを取り込み、PDFの拡張形式“U3D”で保存できるのが特徴。U3D形式については、Adobe Acrobat 7.0シリーズの発表時に、PDFビューアー(Adobe Reader 7.0)の新機能としてリリースされているが、当時は米Bentley Systems社の3D CADソフト『Micro Station』などを別途用意する必要があった。
Adobe Acrobat 3Dのメイン画面。3D CADアプリケーションから取り込むと、パーツの関係が一覧表示され、パーツ単位で選択したり辺の長さや間隔の計測などが可能 |
今回Adobe Acrobat 3Dでは、ソリッドワークス・ジャパン(株)の『SolidWorks』、オートデスク(株)の『AutoCAD』および“3ds Maxシリーズ”、(株)ディ・ストームの『LightWave 3D』、アビッド テクノロジー(株)の『SOFTIMAGE|XSI』など、代表的な3D CADソフトから直接取り込めるようになっている。取り込んだ3Dモデルは回転/拡大/縮小などの視点切り替えはもちろん、モデルのツリー構造を表示してパーツ単位での移動や計測、非表示設定、注釈の挿入、ライティングやマテリアル(表面の質感)の変更などが行なえる。
従来のPDFファイルと同様、コメントを付けることもできる | Acrobat 3D対応の最新版Adobe Reader 7.0.7を使えば、3Dモデルを埋め込んだPDFファイルの閲覧やレビューが可能 |
対応アプリ以外でもOpenGLで動作する3D CADであれば、“Adobe Acrobat 3D Captureユーティリティ”を使って3Dモデルとして取り込むことができるという。このほか、Word/Excel/PowerPoint(Office 2000/XP/2003対応)に3D CADの3Dモデルを取り込み、PDFファイルに変換する機能も持つ。
Wordに3Dオブジェクトを埋め込んだところ |
3D CADのデータが埋め込まれたPDFファイルを受け取った側は、対応するPDFビューアー(Adobe Reader 7.0.7)を使うことで3Dモデルを含む内容の確認、およびコメントを付与しての回答が可能(PDF作成時にコメント可能な権限つきにしている場合)。
対応OSはWindows 2000/XP/XP Tablet PC Edition。動作環境はCPUにPentiumプロセッサー(Pentium 4または同 Mを推奨)、メモリー512MB以上(1GB以上を推奨)。オプションとして、Solaris 2.8/AIX 5.2/HP-UX 11.0/IRIX 6.5対応のUNIX版Adobe Acrobat 3D Captureユーティリティが用意されている。