写真1 「IXY DIGITAL 50」。400万画素を搭載し、20mm台の薄型ボディを手に入れた。弟分のIXY DIGITAL 40もあり、こちらは300万画素CCDと異なる印象のデザインを持つ。 |
“IXY DIGITALシリーズ”はコンパクトデジタルカメラの定番的存在。シンプルなスクエアボディと沈胴式レンズ、高級感のあるメタリックの表面処理――といった特徴はそのままに高画素化と小型化が進んできた。スペック面では2004年3月に発売された「IXY DIGIAL 500/450」(500万/400万画素)がIXY最上位機となるわけだが、昨今の“ウルトラコンパクト/ウルトラスリム”デジカメの爆発的な普及にともなって小さいという印象が薄れてきたのも確かだ。「IXY DIGIAL 50」は、そんな小型/薄型化の流れに乗り、より薄くなったボディが特徴である。
写真2 2.0型と大きな液晶を搭載したことで、操作性は向上した。操作ボタンもシンプルにまとまっており好印象だ。本体素材はステンレス。 |
本体サイズはIXY DIGITAL 500/450に比べ縦で1mm、高さで4mm小さくなっているのだが、なんといっても奥行きが27.8mmから20.7mmと、2/3程度の薄さになっているのが目を引く。より薄い機種も存在するが、通常の沈胴式ズームレンズを装備するカメラとしてはかなり薄型だ。前面のCanonロゴのレリーフがわずかに出っ張っているため指が滑らず、思いのほかホールド性は良い。上位機種と同等のクイックな操作感も魅力のひとつだ。
背面を見ると、500/450では1.5型だった液晶モニタが2.0型に大型化しており、背面のスイッチ類も整理されていることが分かる。具体的には、ワンタッチで撮影/再生機能を呼び出す「FUNC」キーが「SET」(決定)キーと統合されて十字カーソルの中央に移動し、上下左右のカーソルも分割型だったものが円形のリング状となった。どちらかと言えば単焦点モデルのIXY DIGITAL Lシリーズに似たボタンレイアウトだが、右手だけで操作可能で、従来からの液晶モニタ下に3つのボタン(MENU/FUNC/DISP)が並ぶものよりも操作時の指の移動が少ない。
全体を640×480ドットにリサイズ(縮小)したもの。 | 中央部を640×480ドットでトリミング(切り抜き)したもの。 | |
サンプル2 DSC-L1のワイド端は32mm相当と比較的広めだ。人物や風景撮りが中心のスナップ機では広角に強いほうが何かと使い勝手がいい。 |
撮影機能は500/450とほぼ同様で、9点測距AFや縦位置センサによるAF/AE制御といったIXYシリーズならではの機能に加え、新たに60fpsの動画撮影(320×240ドット、最長1分)が利用可能となった。さらに目新しい機能はFUNC/SETボタンを押す(もしくは撮影/再生中に長押しする)ことで液晶を時計表示にできる点。縦位置センサによって縦横の表示が変わるほか、カメラを軽く振ることで表示色が次々と変化する。デジタルカメラ搭載の時計表示機能の実用性はともあれ、位置センサを使ったエンタテイメントとしては面白い。
ウルトラコンパクトやスリム、回転レンズ系や屈曲光学系など、各種各様なスタイルと構造の超小型デジタルカメラが市場に溢れるなか、IXY DIGITAL 50はシンプルな形状のまま光学系や部材の小型化を進めつつ高い完成度の製品となっている。まだまだコンパクトデジタルカメラ定番の座はゆるぎそうにない。
IXY DIGITAL 50の主なスペック | |
製品名 | IXY DIGITAL 50 |
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撮像素子 | 1/2.5型原色CCD |
画素数 | 有効約400万画素 |
開放F値 | F2.8~4.9 |
焦点距離 | 35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm相当 |
出力サイズ | 最大2304×1728ドット |
記録形式 | JPEG |
メモリカード | SDメモリーカード |
液晶モニタ | 2.0型TFT(11.8万画素) |
バッテリ | 専用充電池 |
撮影可能枚数 | 140枚(CIPA測定基準) |
サイズ(W×D×H) | 86×53×20.7mm |
重量 | 約130g(本体のみ) |