クラリオン(株)は25日、明治記念館にプレス関係者を集め、12月1日に発売する車載型パソコン『AutoPC CADIAS(オートPC カディアス)』の試乗会を開催した。あいにく小雨交じりの天候ではあったが、用意された4台のCADIAS搭載モデルカーに分乗し、使い方などの説明を受けた後で、実際にカーナビゲーション機能などを使った自由走行を体験できた。
CADIASは、Car Digital Assistantsの頭文字を取った造語で、携帯電話やPHSを使った通信型カーナビゲーションシステムのほか、オーディオ/DVD再生/TV表示(TVチューナーボックスとアンテナを接続)、さらにメール/ウェブブラウズなども可能な多機能さが特徴。さらに、ソフトウェアの追加で機能強化も図れるという。
CADIASのカーナビゲーションシステムは、従来の“カーナビ”の概念とは異なり、本体には地図情報を持たない。リアルタイムにサーバーからダウンロードするか、事前にパソコン上のナビゲーションソフト『CADIAS PC』で検索した結果をメモリーカード(PCカード TypeIIスロットを装備)に保存、読み込むことになる。そのため、通信用インターフェースとして、PCカード TypeIIスロット(メモリーカードの読み込みと兼用)/携帯電話接続用コネクター/USB 1.1(FOMA用)という3つを用意している。
ウェブブラウザは(株)ACCESSの“Netfront”を採用 | DVD-Videoを再生中の画面。右下のダイヤルがボリュームツマミになっている | メモリーカードに保存したナビゲーションデータを読み込んだところ。なるべく大容量のメモリーカードを使って、ランドマークの周辺情報は事前にダウンロードしておくと便利だろう |
実機を触った印象では、建物を立体的に見せる3D表示や、最初に設定したルートを外れた場合の“リルート検索”など、最近のカーナビゲーションに搭載されている機能が未搭載な点で、やや物足りない印象は否めない。この点について、クラリオンでは「ソフトウェアのアップデートにより2003年3月~6月にこれらの機能にも対応予定」と説明している。また、通信環境やパソコンを持たない人向けにCD-ROMの地図データの併用も可能になっており、初回出荷モデルには地図CD-ROMを同梱する予定とのこと。