「DT-DR20000」はHSモードを積んだ日立製作所の上位モデルで、BSデジタルもアナログ放送も両方を観る方に薦められる機種である。同社の「DT-DR3300」と同様、エンコード記録にも対応するが、転送レート6Mbps(サーチデータなしの場合)の「LS2モード」は本機だけが装備する。
録再生映像が高水準で
機能面での使い勝手に優れた力作
i.LINKボタンが付いている点がDT-3300と異なる。ふたを開けるとCMの「オートカットボタン」が現れる。 |
フロントと操作部はDT-DR3300と同じ。リモコンにも付いている「テープナビボタン」を備える。 |
D1/D2/D3/D4対応のD端子(コンポーネント出力端子)を装備。BSデジタルチューナ接続専用のD端子をサポートしているのも特徴だ。 |
i.LINKを介したHSモードのストリーム記録はオンエアそのままの精緻な映像で、録再映像であることを忘れさせるほど高水準。本機のMPEGデコーダはHD信号に対応していないので、再生時にはデコード用に別途BSデジタルチューナと接続し、電源を入れておく必要があるが、D端子には使い勝手を改善する工夫が盛り込まれている。
本機にはBSデジタルチューナ接続専用のD端子があり、この端子にチューナの出力信号をつないでおくと、本機のビデオ再生信号とBSチューナの受信信号を自動的に切り替えてTVに表示できる。チューナ内蔵ビデオデッキのような使い勝手を実現する便利な機能だ。
D-VHSデッキの泣き所は、出画に時間がかかることと、微妙なサーチ(頭出し)に対応しにくいことが挙げられる。本機は完成度の高いナビ機能を積んでいるので、番組単位の頭出しはスムーズなのだが、番組内でわずかな時間だけ早送りしたい場合などは、出画が遅いのでなかなか目的のシーンを探し当てられないことがある。現時点ではこの欲求を満足させる製品は他社製も含めて存在しないが、なんらかの改善を望みたいものだ。
機能面では他機種に勝る点が多い。まず、本機の「CMスキップ」は、音声信号の種類(アナログ⇔ステレオの切り換え点)だけでなくCMと番組の変わり目(ブランク信号)を検知する方式も併せて採用するため、従来の方式ではスキップできなかったステレオ放送(番組)中のステレオCMのカットにも対応している。DT-DR3300と同等の充実機能のテープナビとともに、実用価値の高い機能といえる。また、初心者にはわかりにくいi.LINKケーブルの接続や設定について、信号の流れと各端子の役割を解説したシートが同梱されている点も評価したい。
D-VHSデッキの中には、S-VHSの性能が不充分な製品もあるが、本機はアナログ記録ビデオデッキとして高画質録画を楽しむことができる。バランスがとれた製品としてオススメしたいモデルのひとつである。
メニューはDT-DR3300と同じもので、初めて触っても機能がわかりやすい。 |
検索したい番組単位の頭出しがスムーズに行える。ただし、出画が遅いのが(D-VHSデッキに共通する)難点だ。 |
i.LINK一覧メニューでは、自動的に接続している機器を認識してくれる。 |
録画モード(D-VHS) | HS/STD/LS2/LS3 |
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内蔵チューナ | VHF/UHF/BS/CATV |
i.LINK端子 | 2系統 |
本体サイズ | 465(W)×323(D)×132(H)mm |
重量 | 7.6kg |