高い描写力が最大の魅力
撮影サンプル1。F5.6、1/30。撮影画像は2832×2128ドットだが640×480ドットにリサイズしている。曇天下だが樹木の緑は彩度が高めに写っている。 |
電源ONから撮影可能になるまで約3秒という高速起動はFinePix4900Zと同じだが、全体的にきびきびと動き、撮影時のモード切り替えや画像再生など、あまりもたつく感じがほとんどないのは好感が持てる。最高解像度ではFineモード(低圧縮)で2MBを超えるデータとなるため、さすがに画像表示などの処理は2秒近くかかるものの、撮影時はバッファリングによってスマートメディアへの書き込み中であっても次の撮影が可能で、1秒強の間隔で次々と撮影できる(モードとして用意されている連写は約5コマ/秒で5コマまで)。
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングした。コントラストの低い画像にもかかわらず細い線がくっきり出ており、解像感は高い。 |
ただし、フォーカシングやシャッタータイムラグに関してもFinePix4900Zと同程度(体感速度)のままで、“フォーカシングが遅くてシャッタータイムラグも長い”という感じが残ったままなのが気になった。
画質に関しては、同社のデジタルカメラらしい彩度の高さとシャープネスの効いた絵作りで、発色や解像感に関してはFinePix6800Zとよく似た感じの画像となった。ただし、さすがに口径の大きめのレンズを搭載しているだけあって、FinePix6800Zの際に感じた周辺歪みは見受けらない。
撮影サンプル2。F5.6、1/27。撮影画像は2832×2128ドットだが640×480ドットにリサイズしている。なかなか近寄れない動物などの被写体には光学6倍ズームが威力を発揮する。 |
FinePix6900Zの13万5000円という価格はFinePix6800Zに比べて1万円高いだけなのだが、いかにもコンパクトカメラ然とした機能とレンズ描写力を持つFinePix6800Zに比べて一眼レフカメラ的なホールド性の良さと高い機能を備え、大口径のレンズによる高い描写力も魅力が高い。凝ったデジタルカメラ撮影をしたいという人で、どれか1台に絞るというのであれば、最有力候補のひとつに数えられるだろう。
撮影サンプル3。F7.1、1/30。マクロモード。撮影画像は1536×2048ドットだが480×640ドットにリサイズ。 |
撮像素子 | 1/1.7インチハニカムCCD、原色系フィルタ、 約330万画素、有効画素数約301.5万 |
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レンズ | スーパーEBC フジノン光学式6倍ズームレンズ、F2.8~3.1 f=7.8~46.8mm(35mmフィルムカメラ換算:35~210mm相当) |
静止画 | 2832×2128ドット/2048×1536ドット/ 1280×960ドット/640×480ドット |
動画 | 連続最長約160秒、音声なし、320×240ドット、 10フレーム/秒 |
記録媒体 | スマートメディア |
シャッター速度 | 3秒~1/2000 |
絞り | F2.8~11、1/3ステップ |
測光 | TTL64分割マルチ/スポット |
感度 | ISO100/200/400相当 |
インターフェイス | ビデオ出力、USB |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ | 110(W)×93.5(D)×78.5(H)mm |
重量 | 約450g(バッテリ、スマートメディア含む) |