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WARLORDS BATTLECRY完全日本語版

WARLORDS BATTLECRY完全日本語版

2000年12月08日 21時02分更新

文● 中村聖司

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我が身を守る懐刀を育てろ

これが従者の選択画面。レベルの高い部隊は、使用するポイントも高くなるので注意。従者がいない人は、レベル1の新規部隊を従者として使うこともできる。

 英雄の説明だけで1ページを消費してしまったが、続いて英雄が率いる部隊の説明に入ろう。WARLORDSでは、ゲーム開始時に英雄に加えて、「従者」を登場させることができる。従者は、いわば英雄の護衛部隊だ。本作では各ゲーム終了後にゲーム中生産したユニットを、“英雄の「指揮」値の範囲内”で複数ストックすることができる。これらは、ゲーム後半でしか生産できないような強力な部隊も含まれ、ゲーム開始時にその強さに応じて「購入ポイント」を払って、開始直後から初期部隊として英雄と共に登場させることができる。

最強のユニット「ドラゴン」。生産にかなりの時間がかかるが、威力は半端ではない。将軍や同盟精霊クラスのユニットをたばにしないと倒せないだろう。

 ここで注釈を入れておくと、建物で一定の資源を支払って生産した部隊は、英雄と同じようにレベルを上げることができる。英雄のレベルアップ処理は「ゲーム終了後」に行われるのに対して、部隊はレベルアップに必要な経験値を獲得したら、戦闘中でも即座に処理され、能力が上がる。見た目や兵装は一緒なので、部隊をクリックして確かめないことにはレベルの違いはわからないが、敵に突っ込ませればその差は歴然。レベルが高くなると、下級クラスの部隊がゲーム後半で生産できる上級クラスの能力を上回る場合もあるからおもしろい。

 特に高コストの部隊が、レベルを上げてさらに精鋭化した場合は、思わず後方に下げて次のマップに持ち越し(ストックし)たくなってくるし、さらに高いレベルを狙って敵部隊に突入させて、激戦の末に戦死したりすると本当にがっくりくる。プレイヤーにこういう感情を持たせること自体がすでにただもののゲームではないが、従者となった部隊には、英雄同様に固有の名前をつけることができる。実にうまいシステムといえるが、こうして部隊に対して底なしの愛着が湧くわけである。



部隊には投石機も登場する。がしかし、投石間隔が長すぎるため、部隊に当てるのは至難の業。塔の破壊に最適な部隊だ。

 さて、英雄が率いる部隊には、9種族それぞれに固有の部隊が用意されている。ゲームに登場する部隊の種類は、最も豊富な人間で16(うち8種類が固有)とそれほど多いわけではないが、グラフィックにしても各部隊固有の特殊能力にしても、個性の豊かさという点ではほかのゲームの追随を許さない。兵科には、歩兵、弓兵、騎兵、魔法使い、飛行、投石機、船舶、火炎(ブレス)などがあり、攻撃の際の演出も多彩で、見ているだけでも楽しめる。



山岳を越えて敵地に侵攻していく飛行部隊「ペガサス」。対空兵装を持たない地上部隊には一方的に攻撃できるので、ラッシュは飛行系で決まりである。

 最強の部隊は全種族共通で「ドラゴン」となっている。高コストの上級部隊は、英雄が使える「魔法」のような特殊能力を備えており、たとえばドラゴンであれば、範囲攻撃が可能なほか、近くにいる敵部隊に「恐怖」を与える能力を持っている。恐怖のような状態変化を「心理効果」と呼び、「畏敬」「畏怖」「恐怖」「混沌」「毒」「病気」の6種類が用意されている。ちなみに恐怖はドラゴンが近づいただけで敵が逃げ出すというもの。一番凄いのはアルコンが持つ「畏敬」で、これは敵の移動速度が半減し、遠隔攻撃ができなくなる。このあたりは、Cavedogの「Total Annihilation:Kingdoms」によく似ているが、WARLORDSのユニークなところは、「英雄が別の種族の部隊を率いてもいい」ことだ。これは同盟軍という意味ではなく、「英雄の種族には関係なく、プレイごとに好きな種族の部隊を率いてプレイできる」という意味だ。むろん、種族間によって多少のプラスやマイナスの修正があるわけだが、プレイごとに率いる種族が変えられるのは対人戦のバランス調整の面からも、実にありがたい。



ハイエルフの将軍「月の守護者」(画面左の集団)。強力な射手であり、建物の占領が可能。将軍が大量に生産できるようになれば、勝利は近い。ちなみに英雄のポートレイトが暗くなっているのは戦死したため(笑)。

 また、部隊には、主力として活躍する通常の軍事ユニットのほかに、「将軍」「同盟精霊」「労働」といったユニットが存在する。将軍は各種族共通で、部隊にプラス修正を行う「指揮範囲」と建物の「占領」能力を備えており、能力的には英雄に近く、ゲーム後半で主力となる精鋭ユニットだ。同盟精霊は、後述するクエストの達成報酬や英雄の召還魔法によって呼び出すことができ、場合によっては劣勢でも戦局を覆すほどの能力を備えた超強力なユニットたちが揃っている(先述したアルコンもこれに含まれる)。最後の労働ユニットは、建物の建設が行えるほか、マップ上に配置された「黄金」「鉱石」「石材」「水晶」の4つの資源生産施設に「投入」することで、各資源の生産性を高めることができる。



半透明で見にくいが、バンバン魔法攻撃しているのは合体でのみ生産できる「エインシャントウィスプ」。建設可能な部隊としては英雄の次に強い。エルフ3種族はこいつの運用が肝だ。

 ただし、ドワーフ族には、施設に投入できる軍事部隊が存在していたり、エルフ系3種族の労働ユニット「ウィスプ」は施設に投入できない代わりに、4体を合体して強力な部隊「エインシャントウィスプ」を作成できるなど、多少の例外はある。部隊の合体や鉱山への投入など、この辺はBLIZZARDの「StarCraft」にそっくりで、ファンはニヤリとすることだろう。少し余談になるが、マップ上に生息する動物たちは、単なる風景ではなく、牛はカタパルトで投げることができ、羊はトロールで投げたり、ミノタウロスが食してHPを回復することができる。



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