日本アイ・ビー・エム(株)(以下IBM)は27日、「IBM eserver xSeries」の新製品として、特定用途に特化した単機能サーバを3モデル発表した。発表したのは、Webアプライアンスサーバ「xSeries 130」(以下x130)1モデルと、NAS(Network Attached Storage)アプライアンスサーバの「xSeries 150」(以下x150)が2モデル。
アプライアンスサーバは、特定の用途、たとえばWebやNASに特化したサーバで、OSやアプリケーション、ユーティリティなどがあらかじめインスール済みとなっている。設置して電源を入れるだけで利用がすぐでき、管理も汎用サーバと比べて簡易にできるように工夫されている。
x130は1Uのラックマウント型
x130は、xSeries 330をベースにしたWebアプライアンスサーバだ。形状は、1Uの薄型ラックマウント型をしている。CPUは、Pentium III-800MHzを採用。メモリは256MBのSDRAMを、HDDは9.1GBを搭載している。Ethernetポートは、10BASE-T/100BASE-TXを2ポート用意した。
xSeries 130 |
OSは、Windows 2000 Advanced Serverをベースにアプライアンス用途に最適化した「Windows Powered OS」に、SP1を当てたものを採用している。ほかのソフトは下記の通り。
- Webサーバ: Internet Information Services 5.0
- キャッシュサーバ: Netfinity Web Server Accelerator 2.0
- リモート管理: Windows Terminal Services
- エージェント機能: Netfinity Director 2.12 UM Server Extensions
- 管理ツール: Advanced appliance configuration utility
価格は65万円で、出荷は12月15日。主にインターネットデータセンターや、xSPを対象としているという。
部門・グループ向けNASアプライアンスサーバ
x150は、タワー型(モデル33Y、145万円)と、5Uのラックマウント型(モデル3XY、410万円)の2つのモデルがある。こちらはxSeries 230をベースにしている。主に大企業の1部門やグループで利用するような用途向けのNASアプライアンスサーバだという。出荷は33Yが11月24日、3XYが12月15日。
xSeries 150 モデル33Y |
2モデルの違いは形状のほかに、CPUの数やディスク容量が異なっており、ラック型のほうが大規模向けとなっている。
モデル | x150 33Y | x150 3XY |
---|---|---|
CPU | Pentium III-800MHz | Pentium III-800MHz×2 |
メモリ | 256MB | 1GB |
HDD | 36.4GB×3(最大218.4GB) | 36.4GB×6(最大1.74TB) |
Ethernetポート | 2 | 4 |
ファイルプロトコルは、
- Services for NetWare
- Services for UNIX(含むNetwork File System)
- Common Internet File System(CIFS)
- HTTP
- FTP
に対応している。
下記のソフトウェアがプレインストールされている。
- OS: Windows Powered OS
- 管理ツール: ServeRAID Manager RAID Configuration and Monitoring utilities
- エージェント機能: Netfinity Director 2.12 UM Server Extensions
- 管理ツール: Advanced appliance configration utility
- バックアップツール: Columbia Data Products Open Transaction Manager
x130・x150の管理は、Windows Terminal ServicesとAdvanced appliance configuration utilityにより、すべてのアプライアンスサーバを一元管理することが可能。各種の設定や管理は、Internet Explorer 5.0以降か、Advanced appliance configuration utilityによって行なえるようになっている。
PCサーバは昨年同期比52パーセントの台数増
IBMのNetfinity&Solution事業部の仲西椙夫事業部長は、「Netfinityは7~9月期に昨年同期と比べて、台数で52パーセント、売上げで37パーセント増加した。中でも2way以上の伸びが大きい。これは、インターネット関連や基幹系業務でのPCサーバ利用の増加といった影響が大きいと思う」と、PCサーバが好調に伸びていると語った。
調査会社のインターナショナルデーターコーポレイションジャパン(株)(IDC Japan)が8月に発表したアプライアンスサーバ市場予測では、1999年が26億5000万円であったのに対して、2003年は約2000億円になると見込んでいる。その中でも一番伸びるのがストレージのアプライアンスサーバ、次にWebやグループウェアのアプライアンスサーバとみられている。今回、IBMはその2つの製品を出してきた。仲西氏も「これは始まり」といい、順次アプライアンスサーバを拡充していくという姿勢を示した。
Netfinity&Solution事業部の仲西椙夫事業部長「最大96CPU、実績ベースで99.999パーセントの可用性を提供できる“NUMA-Q”(ヌマキュー)も今年後半から来年前半にかけて、S/390、Linux、Windows 2000といったOSに対応し、来年にはxSeriesに明確にラインナップしたい」とハイエンド戦略も紹介 |