ロータス(株)は10月3日、新機能を盛り込んだグループウェアの最新版「ロータス ノーツ R5/ドミノ R5」を11月17日に発売すると発表した。価格は従来通りで、9万9400円(1ライセンス)~、ドミノクライアントアクセスライセンスが8400円(1ユーザー)~。
ノーツ以外のクライアントからのアクセスを強化
最新版(R5.0.5)では、次の3点の機能が強化された。
- 「Domino Off-Line Services」(DOLS、ドミノオフラインサービス)の実装
- Microsoft Outlookとの統合「iノーツ アクセス for Microsoft Outlook」
- ドミノをファイルサーバーとして利用可能な「Domino Network File Store」(DNFS)
Webブラウザでもオフライン作業が可能に
これらの強化は、「どこの場所、どの端末からでもドミノサーバへのアクセスを可能にする」クライアント拡張戦略に基づくものだ。ノーツ以外のクライアントからドミノサーバへアクセスするための技術を総称し、ロータスでは「iノーツ」というブランド名を設定している。
DOLSは、オフライン環境のWebブラウザから、ドミノサーバ上のデータデースやアプリケーションを利用可能にする技術。従来、Webブラウザからドミノサーバを利用するときには、ネットワークに接続された状態でなければならなかった。DOLSでは、ノーツクライアントを利用するときと同様に、作業中のパソコンにドミノサーバのレプリカを作成し、そのレプリカに対して作業を可能にする。ドミノサーバとの同期は、「ロータス iノーツ シンクマネージャ」(画面)を介して行なう。
Webブラウザで作業し、ネットワークに接続しiノーツ シンクマネージャを介して同期を取る |
OutLookとの統合は、Exchangeからの移行を期待
iノーツ アクセス for Microsoft Outlookは、Outlookをクライアントとして、ドミノサーバにアクセス可能とするもの。ドミノサーバのメールやカレンダー、To DoリストがOutlookから利用できる。同機能により、Exchangeからドミノへの移行組が違和感なくドミノ環境へ移行できるとしている。
Domino Network File Store(DNFS)は、Windowsクライアント環境から、ドミノサーバをファイルサーバとして利用できる機能だ。ドミノサーバがWindowsのネットワークコンピュータとして見え、ドミノのデータベースがフォルダとして表示される。ドミノである意識をすることなく、ファイルの保存や呼び出しが可能という。
通常の共有フォルダと異なる点は、ワークフローとの連動といったドミノのアクセス制御を利用できるという点だ。たとえば、フォルダに新規文書が作成されると同時にイベントが発生し、ワークフローが動き出すといった業務と連動したファイルシステムが構築可能という。
そのほか、WebSphereアプリケーションサーバと組み合わせてシステムを構築している場合、ドミノとWebSphereのシングルサインオンが可能となった。
ドミノR5の対応OSは、Windows 95/98/NT 4.0/2000、OS/2 Warp Server4、AIX、Solaris、HP-UX、AS/400、S/390、Linux。DOLSは、Windows 95/98/NT 4.0 SP5以降のInternet Explorer 4.01 SP2/5.0x、Netscape Navigator 4.5以降。DNFSは、Windows NT 4.0/2000サーバ上のドミノR5に対応している。
「数年でグループウェアの新しい方向性が見えるだろう」
記者会見の席でロータスの安田誠代表取締役社長は、「社内で利用しているグループウェアは、これからインターネットで顧客との間でも使われるだろう。これから数年をかけて、そういうところを(ロータスが)見せていければ。情報を共有することにより何が変わってくるのか。数年で新しい方向性が見えるだろう」と語った。
Microsoftの.NETについては、「.NETの体系はよくできていると思うが、全部書き直してくれというのはどうかなと思っている。ロータスは今あるアセットを最大限に使ってもらえることを考えている。過去との整合性にかたくななところもあるかもしれない。もちろんJavaを使っていただいたりするのはOK」と述べ、会見を締めくくった。
安田誠代表取締役社長 |